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本記事では、獣医師の平均年収を紹介します。
ズバリ、獣医師の年収は約646万円(令和4年)。
獣医師の平均年収の算出方法はこちら↓。
{男性(260人×700万円)+女性(110人×519万円)}÷(260人+110人)=約646万円
男性(対象:260人/経験年数0年〜15年以上)
月額 | 約50万×12ヶ月 | 約600万 |
年間賞与その他特別給与額 | 約82万×1回 | 約100万 |
年収 | 約700万円 |
女性(対象:110人/経験年数0年〜15年以上)
月額 | 約37万×12ヶ月 | 約444万 |
年間賞与その他特別給与額 | 約75万×1回 | 約75万 |
年収 | 約519万円 |
また本文では、
- 年齢別・経験年数別に獣医師の年収
- 職業別に年収を比較(医師、歯科医師、看護師、保育士、教員など)
も紹介しています。
獣医師の平均年収について紹介する前に、「年収」という言葉について簡単におさらいしておきます。
「給与」の額には大きく分けて「総支給額」と「手取り額」があります。「総支給額」とはその名の通り、企業などから実際に支払われる金額のことです。
一方、「手取り額」とは総支給額から税金などの控除額を引いた金額のことを言います。「年収」は一般的に「総支給額」であらわします。
以上のことを踏まえて見ていきましょう!
獣医師の平均年収は646万円(令和4年)
男性(260人) | 女性(110人) | |
---|---|---|
月額 | 約50万 | 約37万 |
年間賞与 その他特別給与額 | 約82万 | 約75万 |
年収 | 約700万円 | 約519万円 |
※参照:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
賃金構造基本統計調査は、男女別々に調査されたものになります。
年齢、経験年数別にもみていきましょう。
【年齢別】獣医の年収
男性
給与 | 年間賞与 その他特別給与額 | 人数 | |
---|---|---|---|
~19歳 | – | – | – |
20~24歳 | – | – | – |
25~29歳 | 32.5万 | 51.2万 | 47人 |
30~34歳 | 50.1万 | 72.9万 | 86人 |
35~39歳 | 56.5万 | 75.5万 | 54人 |
40~44歳 | 65.8万 | 411.1万 | 19人 |
45~49歳 | 73.3万 | 83.4万 | 17人 |
50~54歳 | 56.6万 | 163.4万 | 12人 |
55~59歳 | 47.3万 | 135.3万 | 4人 |
60~64歳 | 34.9万 | 77万 | 11人 |
65~69歳 | 39.7万 | 67.8万 | 6人 |
70歳~ | 39.8万 | 101.3万 | 3人 |
平均 | 50.2万 | 100.8万 | 260人 |
女性
給与 | 年間賞与 その他特別給与額 | 人数 | |
---|---|---|---|
~19歳 | – | – | – |
20~24歳 | – | – | – |
25~29歳 | 24.6万 | 32.3万 | 40人 |
30~34歳 | 31.1万 | 41.2万 | 16人 |
35~39歳 | 35.6万 | 89.5万 | 7人 |
40~44歳 | 46.0万 | 104.6万 | 20人 |
45~49歳 | 51.5万 | 111.1万 | 20人 |
50~54歳 | 64.7万 | 201.0万 | 6人 |
55~59歳 | – | – | – |
60~64歳 | – | – | – |
65~69歳 | – | – | – |
70歳~ | – | – | – |
返金 | 36.5万 | 77.6万 | 110人 |
【経験年数別】獣医の年収
男性
給与 | 年間賞与 その他特別給与額 | 人数 | |
---|---|---|---|
0年 | 32.7万 | 3万 | 7人 |
1~年 | 37.4万 | 60.3万 | 63人 |
5~9年 | 530万 | 88.2万 | 83人 |
10~14年 | 54.1万 | 73.6万 | 61人 |
15年以上 | 60.5万 | 232.6万 | 45人 |
平均 | 50.2万 | 1007.7万 | 260人 |
女性
給与 | 年間賞与 その他特別給与額 | 人数 | |
---|---|---|---|
0年 | 25.4万 | 0万 | 8人 |
1~4年 | 30.3万 | 58.8万 | 45人 |
5~9年 | 32.1万 | 37.3万 | 17人 |
10~14年 | 45.4万 | 128万 | 15人 |
15年以上 | 53.4万 | 121.9万 | 24人 |
平均 | 37.4万 | 74.6万 | 110人 |
獣医の年収を他職業と比較してみた
男性 | 女性 | |
---|---|---|
獣医師 | 703.2万円 月50.2万+賞与100.8万 (260人) | 523.4万円 月37.4万+賞与74.6万 (110人) |
医師 | 1352.9万円 月102.6万+賞与121.7万 (10,076人) | 1017.2万円 月77.6万+賞与86万 (2,979人) |
歯科医師 | 788.1万円 月61.6万+賞与48.9万 (927人) | 844万円 月61万+賞与112万 (228人) |
薬剤師 | 595.3万円 月41.6万+賞与96.1万 (4,126人) | 515.6万円 月36.5万+賞与77.6万 (5,119人) |
看護師 | 479.6万円 月32.4万+賞与90.8万 (8,574人) | 467.3万円 月31.8万+賞与85.7万 (72,673人) |
診療放射線技師 | 521.1万円 月34.5万+賞与107.1万 (3,912人) | 442.5万円 月30万+賞与82.5万 (1,216人) |
歯科衛生士 | 344.4万円 月24.6万+賞与49.2万 (9人) | 368.4万円 月27.1万+賞与43.2万 (3,754人) |
保育士 | 394.8万円 月27万+賞与70.8万 (1,632人) | 383.2万円 月26万+賞与71.2万 (26,787人) |
小・中学校教員 | 777.9万円 月47.6万+賞与206.7万 (2,019人) | 646.9万円 月41.9万+賞与144.1万 (1,297人) |
調査人数にかなりの差があるので、参考程度にみておきましょう。
獣医師の平均年収は日本の平均年収より高いが給料と見合っていない?
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は461万円であり、
引用元:1 平均給与(国税庁)
日本国民の平均年収は461万円です。
そのため、一般的なサラリーマンと比較すると獣医師自体の平均年収(約646万円)は高いと言えます。
しかし、獣医師の業務内容は比較的ハードで、中にはこのデータよりも長時間労働しなければいけない職場もあるので注意が必要です。
給料として見合っていない、といった声もあります。
国税庁が2023年9月27日に発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は457万6000円でした。
引用元:日本の平均年収は458万円。では「非正規が含まれない」正社員の平均はいくらか(Yahooニュース)
【職種別】獣医の年収
では、獣医師の4つの職種について平均年収を見ていきましょう!
ここで紹介する平均年収のデータは、年齢・性別・場所(都道府県)・職場などで異なってきます。
そのことに注意し踏まえたうえで見てもらえると嬉しいです!
1.小動物臨床獣医師(勤務医・開業医)の年収
- 勤務医:約300万円〜450万円
- 開業医:約1000万円~数千万円以上
小動物臨床獣医師はイヌやネコなどの伴侶動物を診察・治療する獣医師。
中にはウサギや爬虫類など産業動物(牛、馬、豚、鶏など)や犬猫以外の動物であるエキゾチックアニマルを扱う獣医師もいます。
なので、職種自体も想像以上に幅広く、業務内容も比較的ハードなものになっていることが多いです。
そして、小動物臨床獣医師を大きく分けると「勤務医」と「開業医」に分けられます。
「勤務医」は動物病院の雇われの獣医師で、「開業医」は独立して自分で動物病院を持つ獣医師です。
勤務医として修業を積み、独立して開業するというのが今一般的なルートとなっています。
平均年収を見てもらうと分かるとおり、勤務医はそこまで高くないですが、開業医として成功すれば年収は非常に高いです。
ですので、小動物臨床分野は夢のある職種といってもいいでしょう。
しかし、開業しても失敗したり、勤務医と同等かそれ以下の年収になってしまうこともあるみたいなので注意が必要です。
2.産業動物(大動物)臨床獣医師(勤務医・開業医)の年収
- 勤務医:約400万円~600万円
- 開業医:おおよそ500万円~1000万円以上?
※産業動物臨床獣医師の開業に関してはあまりデータが得られず正確ではないので参考程度の数値としてみてください。
小動物と同じく、産業動物も勤務医と開業医があります。
産業動物臨床獣医師は通常、各都道府県のNOSAIとよばれる農業共済組合に勤めます。
小動物と異なる点は、勤務医の年収が小動物より少し高いこと、開業もできるが小動物ほど開業する人がいないことなどが挙げられます。
こちらの職種も小動物臨床と同様割とハードな業務内容といわれていて、大動物を相手にすることもあるので体力が必要です。
3.公務員獣医師の年収
- 地方公務員(本庁、食肉衛生検査所、家畜保健衛生所、動物園、水族館など):約600万円
- 国家公務員(農林水産省・厚生労働):約650万円
※各地方自治体、階級によっても変わります
※参照:令和4年地方公務員給与の実態(総務省)(獣医師は「薬剤師・医療技術職7に該当」)
続いて、「公務員獣医師」の平均年収を見ていきましょう!
参考にしたデータは公務員給与実態調査によるものです。
公務員は大きく分けると「地方公務員」と「国家公務員」の2つです。
地方公務員獣医師は、本庁、食肉衛生検査所、家畜保健衛生所、そして動物園や水族館などに勤めたりします。
一方、国家公務員では農林水産省と厚生労働省に勤めます。
国家公務員の勤務地としては、検疫所や動物検疫所などが挙げられます。
年収については、地方か国家で、そして配属先や勤務地で異なってきます。
例えば動物園で働く地方公務員の平均年収は一般的におよそ400万円〜450万円程度といわれています。
公務員獣医師については職種が幅広く、それによって業務内容や給料も変わってくるため注意が必要です。
4.企業で働く獣医師の年収
- 民間企業:約600万円〜800万円
- JRA/日本中央競馬会(特殊法人):約650万円〜1,200万円
最後に、企業で働く獣医師について平均年収を見ていきましょう!
獣医師が働く民間企業は、製薬会社、食品会社、飼料関連会社などが挙げられます。
民間企業の場合、獣医師としての専門性は他の職種より低くなってしまうように思われがちですが、上記の民間企業にとって獣医師は重宝されるため、その分年収は少し高いことが多いです。
民間企業によって年収も変わってくるため、こちらも注意が必要です。
また、特殊法人であるJRAですが、他の職種より年収が高いです。
ただし馬の獣医としてJRAをめざす獣医学生も少なくなく、難関であるといわれています。
JRAは毎年5,6人獣医師を募集しており、そこに40人ほどの応募があって倍率は高いと言えます。
全国の獣医大学から一人ずつ満遍なく採用するそうです。
獣医の年収は一般的な年収よりも高いが、職種・勤務医or開業医によって大きく変わってくる
獣医は職種が多岐にわたり、勤務医と開業医でも年収が大きく変わってきます。
高い年収を目指すならやはり開業医でしょうが、安定を求めるなら勤務医といった感じでしょうか。
獣医師を志す上で参考の1つになれば幸いです。
賃金構造基本統計調査 調査の目的
この調査は、統計法に基づく「賃金構造基本統計」の作成を目的とする統計調査であり、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。
※引用:賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
参考資料:誤差率表4 職種(小分類)別所定内給与額及び所定内給与額の標本誤差率(役職者を含む)、職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値(産業計)