こんにちは!獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
この記事では鹿児島大学共同獣医学科の一般選抜について(入試の傾向や対策・勉強法)、解説をしていきます。
2025年度 鹿児島大学共同獣医学科「一般選抜」の入試科目・必要科目おさらい
一般選抜前期(a,b)
内容 | |
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募集人数 | a:10名 b:10名 |
試験内容 | ・共通テスト:6教科8科目 ・個別学力試験:3教科(数学、英語、理科から1科目) |
共通テストの科目 | a 920点満点 【国語】200点 【社会】100点 【数学】200点 【理科】200点 ※物理 化学 生物から1科目 【外国語】200点 【情報】20点 b 460点満点 【国語】100点 【社会】50点 【数学】100点 【理科】100点 ※物理 化学 生物から1科目 【外国語】100点 【情報】10点 |
個別学力試験の科目 | 3教科3科目 a600点満点 b1200点満点 【数学】a 200点 b 400点 【理科】a 200点 b 400点 【外国語】a 200点 b 400点 |
一般選抜前期日程にはパターンaとパターンbの2種類があります。パターンaは共通テスト重視、パターンbは個別学力試験重視です。
またパターンaとパターンbでは共通テストの英語のリスニング、リーディングの得点配分が異なります。配点は以下のようになります。
リーディング | リスニング | 合計点 | |
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パターンa | 100点→160点 | 100点→40点 | 200点 |
パターンb | 100点→80点 | 100点→20点 | 100点 |
特にパターンbは、リスニングの点数があまり点数に反映されていません。共通テストの英語試験は特徴があるので苦手とする方もいらっしゃると思います。
リスニングに自信がない方やリーディングの点数に不安がある場合は、パターンbの方が失点をおさえることができます。
英語に関わらずパターンaは共通テストを得意とする方、パターンbは共通テストよりも個別学力試験の方に自信がある方のために2023年度から2つパターンに分けられました。
ただし各パターンごとの定員は決まっているので自分はどちらのパターンが適しているかは、模試の点数の傾向や本番の共通テストの点数を照らし合わせて慎重に検討しましょう。
一般選抜後期
内容 | |
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募集人数 | 2名 |
試験内容 | ・共通テストのみ:6教科8科目 |
共通テストの科目 | 920点満点 【国語】200点 【社会】100点 【数学】200点 【理科】200点 【外国語】200点 【情報】20点 |
後期日程は、個別学力試験が課されません。
したがって共通テストで相当な点数を稼ぐ必要があるでしょう。
なお2022年度以前は面接が課されていましたが、2023年度以降から廃止されました。
【分析】合格にはどれくらいの得点が必要?
鹿児島大学が発表している、2020~2024年の合格最低点・倍率は以下の通りです。
年度 | 合格最低点・合格倍率 |
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2024年 | 【一般前期】 合格者最低点:1148/1500 合格倍率:1.6倍 合格者最低点:1232/1650 合格倍率:23.1倍 【一般後期】 合格者最低点:非公表/900合格倍率:15.5倍 |
2023年 | 【一般前期】 合格者最低点:1122/1500 合格倍率:2.7倍 合格者最低点:1173/1650 合格倍率:16.6倍 【一般後期】 合格者最低点:非公表/900 合格倍率:4.3倍 |
2022年 | 【一般前期】 合格者最低点:1075/1500 合格倍率:3.2倍 【一般後期】 合格者最低点:非公表/1200 合格倍率:4.0倍 |
2021年 | 【一般前期】 合格者最低点:1177/1500 合格倍率:3.3倍 【一般後期】 合格者最低点:非公表/1200 合格倍率:3.0倍 |
2020 年 | 【一般前期】 合格者最低点:1132/1400 合格倍率:3.5倍 【一般後期】 合格者最低点:非公表/1000 合格倍率:2.5倍 |
2023年以降は前期日程はパターンaとパターンbに分かれています。しかしパターンaに比べてパターンbの倍率が非常に高くなっていることがわかります。
つまり個別学力試験重視の方が、共通テスト重視よりも志願者が多い傾向があります。
後期日程の倍率は例年は3、4倍前後を推移していますが、2024年度は15倍と非常に高くなりました。
合格最低点を見てみましょう。どちらのパターンでも前期日程では最低7割以上得点する必要があります。年によっては8割近くの得点が求められます。なおパターンに分かれる前と後で合格最低点の得点率に大きな変化はないです。後期日程は点数が公表されていません。
パターンbの方がパターンaよりもはるかに倍率が高いにも関わらず、合格最低点の得点率があまり変わらないことから、パターンaの方が比較的入りやすいとも考えられます。
【教科別】合格点や過去問から入試の傾向と勉強法を解説
ここからは、各教科の出題傾向とそれに合った勉強法を解説していきます。
各教科の出題傾向は、受験人数が多い前期入試を基に分析を行いました。
数学
年度 | 問題構成 |
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2024年 | 大問1:小問3問(確率 不等式 指数対数) 大問2:三角関数 微分法 大問3:数列 ベクトル 確率分布から1問選択 |
2023年 | 大問1:小問3問(図形 整数 確率) 大問2:図形と方程式 大問3:数列 ベクトル 確率分布から1問選択 |
2022年 | 大問1:小問3問(図形 整数 確率) 大問2:対数関数 大問3:数列 ベクトル 確率分布から1問選択 |
2021年 | 大問1:小問3問(式の値 図形 三角関数) 大問2:微分法 大問3:数列 ベクトル 確率分布から1問選択 |
2020年 | 大問1:小問3問(整数 三角関数 確率) 大問2:式と証明 大問3:数列 ベクトル 確率から1問選択 |
試験時間は90分で大問は3つです。試験時間は十分あると言えるでしょう。
例年大問1は小問集合で大問2は微分法、積分法、三角関数などの問題、大問3は選択制で数列やベクトルが出題されています。2025年度からは新課程になるので大問3の選択制に変更が生じる可能性があります(詳しくは後述)。
計算問題が多いですが、証明や図示を求められることもあるので解答作成を丁寧に行う習慣をつけましょう。
問題の難易度は標準的で教科書に即してしっかりと勉強していれば高得点が狙えます。あまり慣れない問題だとしても誘導に乗ることで答えを導けるものがほとんどです。
対策としては学校や塾で一通り単元を習い終えたら青チャートレベルの問題集を繰り返し解き、典型問題の解法を完璧にしましょう。数学は思考力が必要と言われていますが、思考力をつける前にある程度基礎となる解法を頭に入れておく必要があります。典型問題に即した問題を出題することが多いので問題を見たら解法が思いつくくらいにしましょう。
数学Ⅲが試験範囲から除外されている(詳しくは後述)ことや、標準的な問題が出題されることから数学が決して得意ではない人も対策すれば合格に近づくことができるはず。
数学に関しては、個別学力試験よりも共通テストの方が差が付きやすいという点が(特にパターンaで受験する場合)重要でしょう。
英語
年度 | 問題構成 |
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2024年 | 大問1:読解 大問2:読解 大問3:文法 語彙 大問4:英作文(会話文中の和文英訳) 大問5:英作文(意見論述 120語) |
2023年 | 大問1:読解 大問2:読解 大問3:文法 語彙 大問4:英作文(会話文中の和文英訳) 大問5:英作文(意見論述 120語) |
2022年 | 大問1:読解 大問2:読解 大問3:文法 語彙 大問4:英作文(会話文中の和文英訳) 大問5:英作文(意見論述 120語) |
2021年 | 大問1:読解 大問2:読解 大問3:文法 語彙 大問4:英作文(会話文中の和文英訳) 大問5:英作文(意見論述 120語) |
2020年 | 大問1:読解 大問2:読解 大問3;文法 語彙 大問4:英作文(会話文中の和文英訳) 大問5:英作文(意見論述 120語) |
出題傾向は毎年同じで試験時間は90分で大問は5つです。
問題のレベル自体は標準的ですが、問題量が多いので手際よくこなしていくことが求められます。
読解問題は大問2つ分ありますが、内容説明を記述で求められたり、空所補充を課されたりと読むのにも解答を記述するにも時間がかかるでしょう。
文法問題は比較的標準的なので素早く終わらせることが重要です。
大問4と5では英作文が課されます。大問4は会話文中の和文英訳です。日本語だけ見ていきなり英語に訳すのは危険なので、一応文章を読んで背景情報は確認。訳す文章も問題集にある硬い文章ではなく、口語なのでどのような文法を用いるべきかは練習が必要でしょう。
大問5では100から120字という長い意見英作文が求められます。制限時間もあるので持論を書くのではなく、いかに書きやすい内容で臨むかが重要です。いきなり書き始めるのはリスクがあるので、まずは下書きをして書く内容をある程度整理してから書き始めるようにすると良いです。
90分という短い制限時間ですが、見直しの時間も取れないことはありません。特に前半の読解を超えてしまえばあとは深く読み込むというよりも、要領の良さが求められるでしょう。過去問演習をたくさん行い傾向に慣れることが重要です。
理科
化学
年度 | 問題構成 |
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2024年 | 大問1:総合問題(単体 脂肪族化合物 酸化数 気体の発生 呈色反応) 大問2:理論 大問3:理論 大問4:有機 大問5:有機 |
2023年 | 大問1:総合問題(濃度計算 セラミックス コロイド CaとAgの化合物 同素体 アルカン PET アセチレン アニリン) 大問2:理論 大問3:有機 大問4:有機 大問5:無機 理論 |
2022年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:有機 大問4:有機 理論 大問5:無機 理論 |
2021年 | 大問1:理論 大問2:無機 理論 大問3:理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
2020年 | 大問1:理論 有機 大問2:理論 大問3:理論 大問4:有機 大問5:有機 理論 |
試験時間は90分で大問は5つです。
近年は大問に加えて総合問題として1問1答形式の知識や簡単な計算を問う形式も登場しています。
問題のレベルは標準的ですが、計算や記述(理由を説明するものなど)が多いので手際よくこなすようにしましょう。
出題傾向を見ると理論化学が特に重要であることが伺えます。無機化学や有機化学との融合問題など単元に縛られない横断的な理解が必要なので、理論化学で重要な法則は計算できるようにするだけでなく、その意味を理解できるようにしましょう。
対策としてまずはセミナーやリードαなどの教科書傍用の問題集を繰り返し解き、基本的な問題を完璧にしましょう。ある程度基礎が固まったら、過去問や国公立大学の標準レベルの問題を制限時間以内に解けるように。教科書に加えて資料集などを活用すると教科書には載っていない豆知識や日常での応用例などを知ることができ、知識定着の助けになります。
物理
年度 | 問題構成 |
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2024年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 |
2023年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 |
2022年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 |
2021年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 |
2020年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 |
出題傾向は毎年同じで試験時間は90分で大問は4つです。
多くの大学では力学と電磁気は必ず出題され、熱力学と波動が年によってランダムに(あるいは選択制で)出題されているのですが、鹿児島大学は4つとも出題されているのが特徴的。原子分野は過去に出題されていません。
問題の難易度は標準的と言われています。描図や導出を求められることが多いので、普段から手を動かす練習をしましょう。例えば物理を勉強するにあたり単位系を意識することはとても重要です。
対策としてまずはセミナーやリードαなど教科書傍用の参考書を繰り返し解き解法を定着させましょう。ある程度基礎が固まったら重要問題集のA問題など標準レベルの入試問題に多く当たり問題数をこなしましょう。
生物
年度 | 問題構成 |
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2024年 | 大問1:遺伝情報 大問2:生殖 発生 大問3:進化 系統 生態 大問4:生態 |
2023年 | 大問1:生殖 発生 体内環境 大問2:植物の反応 大問3:体内環境 大問4代謝 |
2022年 | 大問1:代謝 大問2:遺伝情報 大問3:植物の反応 発生 生殖 大問4:進化と系統 生態 |
2021年 | 大問1:体内環境 大問2:遺伝情報 代謝 大問3:総合問題(発生 系統 受容器 脳) 大問4:総合問題(進化 遷移 顕微鏡 生活環 生態) |
2020年 | 大問1:遺伝情報 代謝 大問2:総合問題(細胞 神経 生殖 発生) 大問3:体内環境 生殖 発生 大問4:生態 |
試験時間は90分で大問は4つです。
問題の難易度には若干の変動があり2022年や2023年は思考力が試される問題が出題されましたが、2024年には平易な問題が多いなど傾向がつかみにくいので標準的な対策だけでは不十分なこともあり得ます。
また大問ごとに分量や難易度が異なるので時間がかかりそうな問題を後回しにして、先に解けそうな問題をやってしまうなど適宜柔軟に対応しましょう。
対策としてまずは教科書や資料集の内容を完璧にしましょう。教科書を読むだけでは知識の定着に不安がある場合はセミナーやリードαなどの参考書を使用しながら読み進めるのもおすすめです。ある程度基礎が頭に入ったら入試問題にチャレンジするようにしましょう。
実験や背景知識を沢山持っていると問題を解くときに有利にはたらきます。もちろん問題に説明や誘導が付いていることもあるのですが、背景知識を持っていれば問題内容を理解するのが早くなります(思い込みは厳禁ですが、、)。
入試問題に多く当たっておくことで解けても解けなくてもこのような実験がある、このような現象があるということを知ることができるます。重要問題集や良問問題集などを活用して積極的に演習を行いましょう。
新課程による影響
新課程移行において数学の出題範囲は以下のように発表されています。
- 数学Ⅰ・Ⅱ:全範囲
- 数学A:図形の性質 場合の数と確率
- 数学B:数列
- 数学C:ベクトル
旧課程では試験範囲にされていた整数と確率分布がなくなりました。
外部英語試験検定スコアについて
鹿児島大学は、外部英語試験の検定スコアを共通テストのリーディングとリスニングとして利用することができます。
対象となる試験は以下にまとめた通りです。
検定試験名 | スコア基準(2022∼2024年度実施分) |
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ケンブリッジ英検 | FCE以上 |
実用英語技能検定 | 準1級合格以上(英検CBT S-CBTも含む) |
GTEC | 1250点以上 |
IELTS | 5.5以上 |
TEAP | 334点以上 |
TOETL iBT | 72点以上 |
TOEIC L&R/TOEIC S&W | 1095点以上(L&R785点以上かつS&W310点以上) |
以上のスコアを取得している場合、リーディングとリスニングの点数を以下のように扱うとされています。
リーディングまたはリスニングの得点 | 得点調整後の点数 |
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80点以上 | 得点を満点とみなす(みなし満点制度) |
80点未満 | 得点の25%を加点する(加点制度) |
共通テストで英語を受験することは必須ですが、共通テストでは高得点が取りにくいけど英検準1級なら取れそうなど、比較的自分の得意な形式の試験で勝負することができます。
高3になると忙しいので外部英語試験を受ける時間的余裕があるかわかりませんが、高2のうちに取得しておくとかなり便利な制度と言えるでしょう。
まとめ
今回は鹿児島大学の獣医学科について傾向と対策についてご紹介しました。
鹿児島大学は、英語の外部試験を導入したり、前期日程でパターンを2つ(a、b)設けたりと国立大学ながら入試にバリエーションを持たせているのが特徴です。
自分が得意とする分野や形式で受けられるメリットがある反面、選択によっては倍率や難易度に差が生じてしまう可能性もあるのでどの方法を利用するのかはよく検討するようにしましょう。