こんにちは!獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
2026年度・岩手大学共同獣医学科の一般選抜に向けて、合格点の目安や教科ごとの傾向が気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、岩手大学共同獣医学科の一般選抜において求められる得点ラインや、数学・理科の出題傾向について、過去問と合格点の分析をもとに詳しく解説します。
担当するのは、当塾講師として受験指導に携わる現役の獣医学部生。
自身の体験をふまえながら、効果的な勉強法までわかりやすくお伝えします。
岩手大学共同獣医学科を目指す受験生は、ぜひ参考にしてください!
- 2026年度入試は前期試験の定員が18名となり2名分枠が減少
- 素点のまま反映されるため、共テで得点を稼いでおく必要がある(情報除く)
- 個別学力検査は理科1科目だけなので、集中して勉強できる
- 2026年度から、大学入学理由希望書(20点分)の提出がなくなる
- 各科目の入試傾向と勉強法を解説しました(2021年度~)
北海道大学 獣医学部 3年生。当予備校の講師として活躍中。
前期試験で現役合格を果たし、現在は数学・生物・化学・英語を指導。これまでに北海道大学や日本獣医生命科学大学など、複数の獣医学部合格者を輩出しています。
自身の受験経験と豊富な指導実績をもとに、最新の入試傾向の分析や、実践的な勉強法について、当サイトのコンテンツ執筆にも携わる。
(2025/8月執筆時)
2026年度 岩手大学共同獣医学科「一般選抜」の入試科目・必要科目おさらい
一般選抜前期
内容 | |
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募集人数 | 18名(昨年-2名) |
試験内容 | ・共通テスト:6教科8科目 ・個別学力試験:2教科(数学、理科から1科目) |
共通テストの科目 | (950点満点) 【社会】100点 【国語】200点 【外国語】200点 (英語を受験した場合リーディングを160点満点 リスニングを40点満点に換算した合計点) 【数学】200点 【理科】200点 ※物理、化学、生物から2科目 【情報】50点 |
個別学力検査の科目 | (400点満点) 【数学】200点 【理科】200点(物理、化学、生物から1科目) |
定員について
2025年度入試は前期試験20名、総合型選抜で10名募集されていましたが2026年度入試は前期試験の定員が18名となり2名分枠が減少しました。もともと後期試験がないので定員が少ない中、更に定員が減少したのでより倍率が高くなると予想されます。
共通テストについて
共通テストが情報を除いて、素点のまま反映されるため共通テストで得点を稼いでおくことが重要です。
個別学力検査について
また個別学力検査に英語がなく、理科も1科目なので各科目に集中して勉強することができるでしょう。
共通テストと個別学力検査では勉強方法が違うので共通テストのみの科目と両方で使う科目のウェイトを考えるのも大切です。
また、昨年度までは大学入学理由希望書の提出が求められ20点分の配点がありましたが、2026年度入試では廃止されます。調査書の提出は求められますが、得点には加算されず個別学力検査は400点満点になります。
【分析】合格にはどれくらいの得点が必要?
岩手大学が発表している、2021~2025年の合格最低点・倍率は以下の通りです。
2025年度からは情報の50点分が加わり1370点満点になっています。
年度 | 合格最低点・合格倍率(受験者数/合格者数) |
---|---|
2025年 | 【一般前期】 合格者最低点:1102/1370 合格倍率:6倍 |
2024年 | 【一般前期】 合格者最低点:1018/1320 合格倍率:3.7倍 |
2023年 | 【一般前期】 合格者最低点:992/1320 合格倍率:3.5倍 |
2022年 | 【一般前期】 合格者最低点:984/1320 合格倍率:3.8倍 |
2021年 | 【一般前期】 合格者最低点:1021/1320 合格倍率:2.7倍 |
合格最低点について
各年度の合格最低点を見ると7割以上の得点が必要とされることが分かります。2025年度は最低点すら8割とかなりハイレベルな戦いでした。7割台では安心していられなくなりそうです。
岩手大学の場合、他大学と異なり、共通テストの点数が情報を除いて圧縮されずほぼ素点がそのまま点数に換算されます。従って共通テストで点数を稼いでおくことが必須になります。例えば共通テストで8割稼いでおけば相当なアドバンテージとなるでしょう。
倍率について
従来は倍率は高いものの4倍を超えることはなく、他の獣医系大学と比べると比較的競争率が低い部類と考えられていましたが、2025年度は急に倍率が6倍に上がりました。岩手大学の共同獣医学科は農学部の中に組み込まれていましたが2025年の春からは獣医学部として改組されました。はっきりとはわかりませんが倍率が急に上がった理由の一つかもしれません。
【教科別】合格点や過去問から入試の傾向と勉強法を解説
ここからは各教科の出題傾向とそれに合った対策・勉強法を解説していきます。
数学
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 大問1:小問集合 大問2:ベクトル 大問3:確率 整数 大問4:図形と方程式 大問5:数列 |
2024年 | 大問1:小問集合 大問2:ベクトル 大問3:整数 大問4:積分 極限 大問5:図形と方程式 |
2023年 | 大問1:小問集合 大問2:確率 大問3:図形と方程式 ベクトル 大問4:微分・積分 大問5:指数対数 領域 |
2022年 | 大問1:小問集合 大問2:数列 大問3:場合の数 大問4:微分積分 大問5:三角関数 |
2021年 | 大問1:小問集合 大問2:ベクトル 大問3:整数 大問4:積分 大問5:確率 |
2020年 | 大問1:小問集合 大問2:確率 大問3:数列 大問4:微分積分 大問5:図形と計量 |
試験時間は120分で大問は5つあります。大問の中に小問があり、解答は記述形式です。
最初は小問集合
小問集合は例年不等式や積分、方程式が出題されていて素早く確実に得点したいところです。簡単なので凡ミスは許されません。
難易度
問題は標準的な難易度のものが多いですが、計算が大変だったり証明をしないといけない問題もあり時間配分に注意する必要があります。また数学Ⅲ以外はどこから出題されてもおかしくないので苦手分野を作らないようにしましょう。
対策
対策として計算力を身につけること、数学の基礎的な解法をマスターして使えるようにすること、答案を丁寧に書く練習をすることが重要です。また網羅系参考書では問題文が簡潔である問題が多いですが岩手大学では文章題も出題されるので問題文の意味を取り違えないように気を付けましょう。
参考書では難しい問題を沢山やるより国公立の標準レベルの問題をこなし、ある程度パターンを身につけると解法に悩まなくなるでしょう。
理科(1科目選択)
化学
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 大問1:無機 有機 理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 大問5:有機 |
2024年 | 大問1:無機 理論 大問2:理論 大問3:理論 大問4:有機 大問5:有機 |
2023年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 大問4:有機 大問5:有機 |
2022年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
2021年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
2020年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
試験時間は120分で大問は5つあります。理論、無機、有機がどのくらいの割合で出題されるかは基本的に毎年同じで理論と有機化学が若干多くのウェイトを占めます。
理論化学
理論では計算だけでなく知識も求められます。理論の勉強はどうしても知識に偏ってしまいがちなので、理論に付随する知識もしっかりと確認しましょう。無機と理論の融合はよく見かけますが、有機と理論の融合問題も出題されるので縦割りの勉強方法だけでは不十分です。
無機化学
無機は有機よりは全体に占めるウェイトは低い傾向にありますが、理論や化学基礎の範囲との融合として知識を聞かれることもあり網羅的に勉強することが求められるでしょう。
有機化学
有機化学は例年大問2つ分を占め、炭化水素や芳香族化合物と、高分子化合物の両範囲が出題されています。高級脂肪酸や糖、アミノ酸は最後の方に学習するのであまり勉強に時間をさけていない受験生も多いと思います。例えば物理選択に人は核酸の問題などになじみが薄いでしょう。得点できるようにしっかりと確認しておきましょう。
生物
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 大問1:呼吸 大問2:PCR法 大問3:長日植物 短日植物 大問4:生態系 生物群集 大問5:自家不和合性(植物) |
2024年 | 大問1:腎臓 大問2:発生 大問3:進化 大問4:生態系 大問5:遺伝 形質置換 |
2023年 | 大問1:植物ホルモン 大問2:生態系 大問3:受容器 反射 大問4:進化 大問5:遺伝情報 |
2022年 | 大問1:代謝 大問2:生態系 大問3:生殖・発生 大問4:遺伝情報 大問5:進化・系統 |
2021年 | 大問1:遺伝情報 大問2:動物の反応 大問3:植物の反応 大問4:生態系 大問5:進化・系統 |
2020年 | 大問1:代謝 大問2:生殖・発生 大問3:動物の反応 大問4:生態系 大問5:進化・系統 |
試験時間は120分で大問は5つあります。分量は年によってやや変動がありますが、例年論述問題やデータ読み取り問題が出題されます。短いので20字、長くて120字ほどの記述があるので添削してもらうなどして簡潔な説明ができるよう練習しましょう。
進化と生態系は頻出
基本的に満遍なく出題されていますが、特に進化と生態系は頻出です。遺伝や発生など仕組みや暗記が煩雑なものに比べるとこれらの単元はラクに思われがちです。しかし用語の穴埋めは教科書に書いてある通りに聞かれるので流し読みせず1つ1つ丁寧に押さえしょう。
難易度
難易度は標準レベルです。しっかり勉強すれば高得点が取りやすいと考えられます。論理的思考も必要ですが、前提知識があればほぼ問題の趣旨を理解できるのでまずは教科書、資料集に載っている知識を定着させましょう。2025年度に出題された自家不和合性など教科書では見慣れないテーマが出題されることもありますが、全く知らないことを問われることはないので落ち着いて臨みましょう。
対策
対策としては先ほど説明した通り論述の練習を積むことに加え、事象を自分の言葉で説明できるようにしておくこと、単語だけでなく具体例と一緒に覚えておくことも重要です。
物理
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2024年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2023年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2022年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2021年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2020年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
力学が多め
試験時間は120分で大問は5つです。毎年、力学・熱力学・波動・電磁気が出題されそれに加えて力学がもう1問出されています。答えだけ聞かれる問題と途中式も含め書く問題の両方があります。力学は他よりも多く出題される傾向にあるので苦手にすると失点が大きくなります。
難易度
問題量も計算量も多いので要領よく処理することが求められるでしょう。難易度は基本的に標準レベルですが年によっては見慣れない問題が出題されることもあり、公式を暗記したり当てはめたりするだけでは厳しいです。法則や原則の意味を理解することが重要です。
対策としては、傍用参考書等を繰り返し解き、基礎を固めたらどんどん公式をアウトプットする練習をすることが大切です。
この状況ではどの式を使うか方針が立てられる方が重要なので(もちろん最終的には公式を覚えなければいけませんが)多くの問題に触れるように心がけましょう。模試の問題などは見慣れない装置で出題されていることが多いので復習することで力がつきます。
まとめ
今回は岩手大学共同獣医学科の一般選抜について(入試の傾向や対策・勉強法)ご紹介しました。
岩手大学は個別学力検査に英語が用いられず、かつ理科も1科目、数学も数学Ⅲは課されないため受験科目に集中できるかもしれませんが、挽回が効きにくいリスクもあります。1科目1科目完成度を高めましょう。
2026年度入試からは定員が20名から18名へ減少します。合格を勝ち取るためにも基礎を着実なものとしてください。