皆さんこんにちは、獣医専門オンライン予備校のベレクトです!
獣医を目指す方の中には、
「野生動物を治す獣医になりたい」
「野生動物を学んでみたい」
と思う方は少なくないと思います。
そこで、「野生動物に強い獣医大学ってどこなの?」という疑問を解消するために、野生動物に強いと考えられる獣医大学をピックアップして調べてみました。
また、「野生動物を治すってどういうことなの?」だったり、「そもそも野生動物を学ぶって何を学ぶの?」といったような疑問を持つ方もいると思います。今日は、そんな疑問も、解決できたらと思います!
野生動物学について
そもそも野生動物学とは?
現在、獣医大学では、獣医師国家試験(国家試験・国試)に対応した各大学共通のコア・カリキュラムという制度を実施しており、
国家試験に出題される必須の分野はどこの獣医学部でも学ぶことが可能です。
そのコア・カリキュラムの中に、「野生動物学」という分野が存在し、これも各大学で学ぶことができます。
学ぶことができるというより、必修科目として獣医学生は皆学ばなければならないといったほうが分かりやすいですね。
簡単に言うと
野生動物学は、高校生物で習うような生態系とその保全・生物多様性・絶滅といった内容を扱い、疾病など獣医療に関係する内容についても学んでいきます。
これらは、各大学や教科書によっても学ぶことが多少違うかもしれませんが、コア・カリキュラムに準拠している限り、大まかには同じです。
野生動物と獣医師のかかわり方とは?
「野生動物学」について簡単に知ったところで、次はちょっと具体的に、獣医学生や獣医師と野生動物のかかわり方を少し紹介していきたいと思います。
獣医大学に在学する獣医学生は皆、特定の学年から研究室に所属しなければなりません。
必修科目として野生動物学を学んできた学生の中には、
大学に入る前と変わって、また入る前よりも強く、「野生動物と関わりたい!」と思う人もいます。
そういった学生の中で、野生動物に関連する研究室(後述します)に所属し、野生動物に関して研究し、論文を発表して(もちろん国試に受かって)卒業し、将来野生動物に関連した獣医師として仕事をする人もいます。
獣医師と野生動物の詳細で具体的なかかわり方に関しては、
ここで説明するより、以下の著名な教授の著書をそれぞれ読んでいただけるとよろしいかと思います。
- 猛禽の獣医師として活躍・有名な齊藤慶輔先生(『野生の猛禽を診る―獣医師・齊藤慶輔の365日』など)
- 野生動物に関する書籍を出版する羽山伸一先生(『野生動物問題への挑戦』など)
- 獣医師で寄生虫学者の浅川満彦先生(『野生動物医学への挑戦: 寄生虫・感染症・ワンヘルス』など)
かなり専門的な内容なので、サラッと読んで見るだけでもいいかと思います。
野生動物に強い獣医大学とは?
ここまで野生動物や野生動物学、そして獣医学生・獣医師とのかかわり方についてそれぞれ説明してきました。
ここからは獣医学生として、野生動物とのかかわりが深いと個人的に思う獣医大学をピックアップして少し紹介していきたいと思います。
基準は、
- 所在地
- 研究室
- 教授
としました。
研究室は野生動物というキーワードがあるかどうかで判断しました。
※比較して野生動物に強い・かかわりがあるといった大学を独断と偏見でピックアップしているだけで、これらの大学以外では野生動物を学べない、就職に関係して将来野生動物と関われないというわけではありませんのでご了承ください。
あくまで獣医大学を選ぶ際の基準の一つとして、「野生動物」を考えた時の参考にしていていただけたらと思います。
【国立大学編】野生動物に強い獣医大学
場所が広大な自然に近かったり、田舎にある地方国立大学は個人的にどれもおすすめです!
中でも、ピックアップしたのはこれから紹介する北海道大学と岐阜大学です。
北海道大学
北海道大学は北海道札幌市北区に所在する、獣医学部・共同獣医学過程を設置する国立大学です。
かの有名な漫画の「動物のお医者さん」は、この北海道大学獣医学部が舞台です。
場所は北海道の中でも都会の方ですが、北海道の雄大な自然に目と鼻の先であり、キャンパスが広いのは言うまでもありません。
また、野生動物学教室という研究室も設置しており、北海道の大自然で最先端を行く研究を学べることもできます。
教授陣も素晴らしく、坪田敏夫先生をはじめとした優秀な先生方が揃っています。
岐阜大学
岐阜大学は岐阜県岐阜市柳戸に位置し、応用生物科学部・共同獣医学科を設置する大学です。
野生動物医学研究室という野生動物の、そしてその”医学”に重点を置いた研究室があり、そこには野生動物の分野では有名な、獣医師で動物学者の鈴木正嗣先生が在籍しておられます。
また、キャンパスの広さと自然への身近さは他の地方大学と比較して遜色ないでしょう。
さらに、岐阜大学には野生動物医学研究室だけでなく、野生動物研究拠点として発展を目指す「野生動物管理学研究センター」と呼ばれる施設が存在します。
以上から、岐阜大学でも「野生動物」について最先端の研究を学ぶことができます。
【私立大学編】野生動物に強い獣医大学
私立大学も素晴らしい大学が揃っていると個人的に思います!
こちらも地方に所在する私立大学では野生動物をより身近に感じることができるかもしれません。
中でも、ピックアップしたのが、酪農学園大学と北里大学です。
酪農学園大学
酪農学園大学は、北海道江別市文京台緑町にその本部を置き、獣医学群・獣医学類を持つ大学です。
何より北海道に所在することで野生動物をより身近に感じることができます。
さらに、野生動物学研究室という名ではありませんが「医動物学」というユニット名の研究室には、先ほど紹介した浅川満彦先生が在籍しており、寄生虫学や野生動物学に関連した先端の研究を学ぶことができるでしょう。
北里大学
北里大学は、青森県十和田東二十三番町と神奈川県相模原市南区北里にそのキャンパスが所在する大学です。
ここで、「あれ、北里大学って神奈川県の相模原キャンパスに通うんじゃないの?」って思った方もいると思います。
たしかに、一年次では相模原キャンパスに通うのですが、二年次以降はなんと青森県の十和田キャンパスに通うのです。
現に、北里大学のHPでは、その学生生活の高い満足度の理由として、
“動物や自然など、教材がすぐそばにある”や”都会では得られない経験ができる”といったようなものが多く挙げられているようです。
実際、「北里大学の十和田キャンパスに移ってその広大な自然に呆気をとられながらも、のんびりと暮らし過ぎてしまって単位を落としてしまった」ということも耳にするくらいです(笑)
もちろんこれは個人的に聞いた話であり、他の地方大学でも同じようなことがあると思いますが、その自然に囲まれたキャンパスライフの満足度の高さは自信を持って言えます。
さらに、当然ながら野生動物学研究室も設置されており、素晴らしい教授陣に囲まれながら野生動物の研究について学ぶこともできます。
【番外編】野生動物に強い獣医大学
これまで、野生動物に強い獣医大学として、国立大学編・私立大学編として紹介してきました。
ピックアップした大学は中でも特におすすめですが、他の獣医大学も特色があり、野生動物に関しておすすめできる大学ばかりです。
ここでは番外編として日本獣医生命科学大学をピックアップしました!
日本獣医生命科学大学
日本獣医生命科学大学(通称:日獣)は、日本獣医畜産大学を前身とし、東京都武蔵野市境南町にその本部を置く大学です。
獣医学部・獣医学科を設置しています。
ここで、「あれ、東京都にあるのに野生動物に強いの?」と思った方もいると思います。
たしかに、所在地は東京都で広大な自然は感じられません(少し時間をかければ多摩などに行くことも可能ですが)
しかしながら、野生動物学研究室を設置し、この研究室には先ほど紹介した羽山伸一先生が在籍しています。
また、猛禽類の獣医として有名な斎藤慶輔先生もこの大学の前身である日本獣医畜産大学を卒業して活躍されています。
つまり、都内の大学に通いながらも野生動物学に造詣の深い教授の下で、高いレベルの野生動物に関連した研究を学ぶことができるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、野生動物学についてと野生動物に強い獣医大学をピックアップして紹介してきました。
ピックアップした大学は北海道に所在する大学が多くなってしまいましたが……
ピックアップされなかった大学でも、「野生動物」に関しておすすめしたい大学は他にたくさんあります!
(帯広畜産大学、宮崎大学、北里大学 etc…)
この記事を見て少しでも「野生動物に興味が湧いた」とか「野生動物についてもっと知りたい」、さらには「野生動物の獣医になりたい!」と思った方は、
今回紹介した大学やそうでない大学についてHPなどでさらに詳しく調べてみたり、野生動物に関連した本を読んでみてください!
この記事で少しでも疑問が解決したり、獣医と野生動物に関連することについて少しでも知ってもらい、お役に立てたならば幸いです!
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