こんにちは!獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
2026年度・帯広畜産大学 共同獣医学課程(以下、帯畜獣医学科)の一般選抜に向けて、合格点の目安や教科ごとの傾向が気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、帯畜獣医学科の一般選抜において求められる得点ラインや、英語・数学・理科の出題傾向について、過去問と合格点の分析をもとに詳しく解説します。
担当するのは、当塾講師として受験指導に携わる現役の獣医学部生。
自身の体験をふまえながら、効果的な勉強法までわかりやすくお伝えします。
帯畜獣医学部を目指す受験生は、ぜひ参考にしてください!
- 共通テストは素点が大きく反映されるため、圧縮後でも高得点を狙うことが重要
- 前期日程は数学Ⅲが出題範囲外のため、数学が苦手な受験生でも挑戦しやすい
- 余裕をもって合格するには8割以上が確実に必要
- 各科目の入試傾向と勉強法を解説しました(2021年度~)
北海道大学 獣医学部 3年生。当予備校の講師として活躍中。
前期試験で現役合格を果たし、現在は数学・生物・化学・英語を指導。これまでに北海道大学や日本獣医生命科学大学など、複数の獣医学部合格者を輩出しています。
自身の受験経験と豊富な指導実績をもとに、最新の入試傾向の分析や、実践的な勉強法について、当サイトのコンテンツ執筆にも携わる。
(2025/8月執筆時)
2026年度 獣医学科「一般選抜」の入試科目・必要科目おさらい
前期
内容 | |
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募集人数 | 30名 |
共通テスト | 6教科8科目(660点満点) 【国語】200点×0.6=120点 【数学】200点×0.6=120点 ※ⅠA ⅡBC 【理科】200点×0.8=160点 ※物理 化学 生物 から2科目 【外国語】200点×0.6=120点 ※英 独 仏 中 韓から1科目 【社会】100点×0.8=80点 ※地総・地探 歴総・日探 歴総・歴探 地総・歴総・公 公・政・経 から1科目 【情報】100点×0.6=60点 |
個別学力検査 | 450点満点 3教科(100分) ※英語、物理、化学、生物及び数学(ⅠⅡABC)の5科目を出題し、英語は必答、英語以外の4科目から2科目を選択 |
後期
内容 | |
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募集人数 | 10名 |
共通テスト | 6教科8科目(660点満点) 【国語】200点×0.6=120点 【数学】200点×0.6=120点 ※ⅠA ⅡBC 【理科】200点×0.8=160点 ※物理 化学 生物から2科目 【外国語】200点×0.6=120点 ※英 独 仏 中 韓から1科目 【社会】100点×0.8=80点 【情報】100点×0.6=60点 |
個別学力検査 | 400点満点 【小論文】200点 【面接】200点 |
共通テストの配点がとても大きいのが特徴です。
多少圧縮されるとはいえ、素点が大きく反映されやすいので、共通テストで点数を稼いでおくことが重要になります。
前期日程では英語は必ず受験する必要がありますが、数学と理科は自分が得意なものを2科目選んで受験することできます。
また数学の試験範囲に数学Ⅲは含まれていないので、数学に苦手意識がある人も受験を検討しやすいでしょう。しかし3教科100分とかなりタイトな制限時間なので、どの科目に何分割くか見極めるのが大切です。
後期日程では筆記試験ではなく、小論文と面接が課されるのでそれなりに練習をする必要があります。書くのが得意、喋るのが得意だとしても慢心せずしっかりと対策を行いましょう。
【分析】一般選抜の合格にはどれくらいの得点が必要?
帯広畜産大学が発表している、2021~2025年の共同獣医学課程の合格最低点・倍率は以下の通りです。
注意:2024年までは共通テストに情報が含まれていなかったため、共通テスト傾斜による点数は600点満点、総合点は前期が1050点満点、後期が1000点満点になっています。
年度 | 合格最低点・合格倍率(志願者/定員) |
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2025年 | 【一般前期】 合格者最低点:851/1000 合格倍率:3.5倍 【一般後期】 合格者最低点:869/1000 合格倍率:6.8倍 |
2024年 | 【一般前期】 合格者最低点:816/1050 合格倍率:3.8倍 【一般後期】 合格者最低点:822/1000 合格倍率:4.8倍 |
2023年 | 【一般前期】 合格者最低点:825/1050 合格倍率:4.6倍 【一般後期】 合格者最低点:806/1000 合格倍率:7.7倍 |
2022年 | 【一般前期】 合格者最低点:758/1050 合格倍率:4.7倍 【一般後期】 合格者最低点:769/1000 合格倍率:5.4倍 |
2021年 | 【一般前期】 合格者最低点:825/1050 合格倍率: 4.5倍 【一般後期】 合格者最低点:830/1000 合格倍率:4.7倍 |
どの年度も合格最低点がほぼ8割であり、余裕をもって合格するには8割以上が確実に必要でしょう(2022年は共通テスト難化のためやや点数が下がったと考えられます)。
倍率も前期後期ともに4~5倍と高いです。多少年度によってばらつきがありますが、依然高い競争率に変わりません。
模試や共通テストのリサーチなどで自分の順位をしっかりと把握しておくことが重要です。
【教科別】合格点や過去問から入試の傾向と勉強法を解説
各教科の出題傾向とそれに合った対策・勉強法を解説していきます。
各教科の出題傾向は、受験人数が多い前期入試を基に分析を行いました。
※注意:2020年以前と2021年以降では出題形式が大きく変化しているため、2021年以降のみを記載します。
英語
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 空欄補充 同意表現 同義語 語形変化 語句整序 |
2024年 | タイトル選択 空所補充 内容真偽 語形変化 語句整序 要約文穴埋め |
2023年 | 語形変化 空所補充 語句整序 内容真偽 |
2022年 | 空所補充 語形変化 語句整序 内容真偽 |
2021年 | 空所補充 語形変化 語句整序 内容真偽 |
長文が1つ出題され、それについての問題が続きます。質問のパターンは空所補充や内容真偽等、毎年ほぼ変わっていませんが、2024年には文章の要約文の穴埋めをする問題が初めて出題されました。
長文の難易度はそれほど高くありませんが、1題しか出題されないこともあって、長さがそれなりにあるため最後まで正確に読む力が必要です。
対策として少し長めの長文読解を沢山解くことで、本番でも時間に余裕をもって臨むことができるでしょう。
数学(数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B・数学C)
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 三角関数 対数 ベクトル 確率 |
2024年 | 三角関数 対数 確率 積分 |
2023年 | 三角関数 対数 ベクトル 確率 微分積分 |
2022年 | 三角関数 複素数 対数 確率 数列 微分積分 |
2021年 | 確率 三角関数 数列 対数 微分積分 |
帯広畜産大学の数学は数学Ⅲが範囲から除かれているので、数学の勉強が間に合わないという心配が少ないでしょう。出題されている単元も確率、三角関数、微分積分はほぼ固定で、その他毎年違うものが出されている傾向です。特に確率、三角関数、微分積分は完璧にしておくとよいでしょう。
問題の難易度もそこまで高くなく、基礎を固めることで高得点が期待されます。例年大問2題構成ですが、第1問は小問集合なので凡ミスは許されません。ただし問題数が多い年もあり、時間配分には注意が必要です。
対策として難易度が若干高めの問題(入試問題集の国立標準レベル)を時間内に正確に解き切る練習を積むことで、数学を得点源にすることができるでしょう。
理科
化学
年度 | 問題構成 |
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2025年 | コロイド(計算) 合成高分子(計算) |
2024年 | 合成高分子 ハーバー・ボッシュ法 炭化水素 酸化還元 電気分解 熱化学方程式 (計算) |
2023年 | アルカリ土類元素 炭化水素(計算) |
2022年 | 酸化還元 化学平衡 糖類 気体の性質 (計算) |
2021年 | 鉄と水銀と鉛 鉛蓄電池 窒素を含む芳香族化合物 (計算 論述) |
化学は特定の範囲が出題されているわけではなく、毎年融合問題が出題されています。知識も計算も問われるため素早く問題を処理することが重要になります。
問題の分量としてはそこまで多くありませんが、ある範囲(例えばコロイド)とその関連知識について大問1つまるまる問われます。従って特定の範囲(特に教科書の最後の方の高分子化合物などはどうしても理解が浅くなりがちです)を苦手としていると失点が大きくなってしまうので注意が必要です。
対策として基礎的な化学式や知識を完璧にすることで時間に余裕を持って解くことができるでしょう。また年によって問題の分量に差があるため、少し多めの問題を集中して正確に解く練習を積むことも重要になります。
物理
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 力学 波動 |
2024年 | 電磁気 熱力学 |
2023年 | 力学 電磁気 |
2022年 | 力学 |
2021年 | 電磁気 力学 波動 |
物理は基本的に複数の分野の融合問題です。フェーン現象や感電、ドローン、バッタ、電気ウナギ、モモンガなど生活や生物に関わる現象を物理的に考えさせる問題も多々出題されています。
難易度はそこまで高くありませんが、公式の暗記にとどまらず法則や原理を使って初見の問題に対処する必要があります。教科書や問題集に載っているモデル化された現象にとどまらず、色々な物理現象に関心を持つことが大切です。
対策として公式や原理が頭に入ったらそれを応用する練習をどんどん積みましょう。入試問題集を全部解くことも重要ですが、あまりにも難しいのは出題傾向にそぐわないのでほどほどにして標準~やや難レベルを素早く解く練習をしましょう。
生物
年度 | 問題構成 |
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2025年 | 生態系 顕微鏡の使い方(計算) 遺伝子(論述) 植物と光合成(論述) |
2024年 | 体内環境 進化・系統 遺伝 (論述) |
2023年 | 遺伝 DNA実験 発生 生態系(計算 論述) |
2022年 | 体内環境 進化・系統 発生 遺伝情報 (論述) |
2021年 | 進化・系統 遺伝情報 生態系 体内環境 (計算 論述) |
生物は遺伝や進化・系統、体内環境に関する問題が頻出です。特に遺伝(バイオテクノロジー)は苦手としている受験生が多いので確実に理解するようにしましょう。
また毎年論述問題が課されているため、普段から論述の練習を積んでおくとあまり手こずることがないでしょう。教科書や資料集をよく読み前提知識をつけておくことも論述の助けとなるので、あまり多くの問題種に手を広げるというよりは、学校で配られる教科書、資料集をしっかりと読み込みましょう。
そのうえで対策としては、入試問題集の定番問題(特にバイオテクノロジーなど高校レベルで問われるパターンは似ています)をマスターしましょう。加えて「自然選択とは何か」「細胞性免疫のメカニズムについて説明せよ」といった一見当たり前そうに見えて実は細かいところがあやふやになりがちな現象の論述練習もしておくと安心です。
また他の理科2科目に比べて若干分量があるので処理スピードをつける練習もしておきましょう。
まとめ
今回は、帯広畜産大学共同獣医学課程の一般選抜における入試傾向や対策についてご紹介しました。
出題の特徴を正しく理解し、自分に合った勉強法で準備を進めることが合格への第一歩です。
帯広畜産大学は受験科目が比較的自由に選択できるので、自分が得意な科目に集中して受験できるのも大きな魅力です。
基礎的な問題をしっかりと解くことができ、かつ応用する力もつけることが合格への鍵になります。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。