こんにちは!獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
この記事では2025年度、岐阜大学共同獣医学科の一般選抜について(入試の傾向や対策・勉強法)、講師陣の意見も交えながら解説をしていきます。
岐阜大学共同獣医学科に在籍中の講師陣▼
2025年度 岐阜大学共同獣医学科「一般選抜」の入試科目・必要科目おさらい
一般前期
内容 | |
---|---|
募集人数 | 26名 |
試験内容 | ・共通テスト ・個別学力試験 |
共通テストの科目 | 6教科8科目(950点満点) 【社会】100点 【外国語】100点 ※英語のみ 【国語】200点 【数学】200点 【理科】200点 ※物理 化学 生物 地学から2科目 【情報】50点 |
個別学力試験の科目 | 2教科2科目(400点満点) 【数学】200点 【理科】200点 ※物理 化学 生物から1科目 |
共通テストは情報以外は素点が反映されるため、共通テストの段階で高得点を取っておくと大きなアドバンテージとなるでしょう。
個別学力試験では数学と理科1科目が課されます。理科が1科目で済む上に英語がないので共通テストが終わった後少ない科目数で集中して勉強することができます。
理科は共通テストでは地学でも受験できましたが、個別学力試験では物理、化学、生物の3科目の中から選ぶ必要があるので注意しましょう。
【分析】合格にはどれくらいの得点が必要?
岐阜大学共同獣医学科の過去3年間の合格最低点、合格倍率は以下のようになります。
年度 | 合格最低点・合格倍率(受験者数/合格者数) |
---|---|
2024年 | 合格最低点:1000/1300 合格倍率:4.2倍 |
2023年 | 合格最低点:1002/1300 合格倍率:3.2倍 |
2022年 | 合格最低点:930/1300 合格倍率:4.7倍 |
2020年 | 合格最低点:964/1300 合格倍率:3.0倍 |
2020年 | 合格最低点:1013/1300 合格倍率:3.0倍 |
年によって若干変動がありますが、3~4倍前後を推移しています。
合格者最低点も7割5分ほどであり高得点を取ることが求められます。共通テストの平均点も個別学力試験の平均点も7割5分ほどであるためどちらの試験でもバランスよく点数を稼ぐことが重要でしょう。
【教科別】合格点や過去問から入試の傾向と勉強法を解説
ここからは、各教科の出題傾向とそれに合った勉強法を解説していきます。
各教科の出題傾向は、受験人数が多い前期入試を基に分析を行いました。
数学
岐阜大学の共同獣医学科の数学は「数学イ」と「数学ロ」のどちらかを選択して受験します。出題範囲は下記のようになります。
数学イ
- 数学ⅠⅡA:全範囲
- 数学B:数列 統計的な推測
- 数学C:ベクトル
数学ロ
- 数学ⅠⅡAⅢ:全範囲
- 数学B:数列 統計的な推測
- 数学C:ベクトル 平面上の曲線と複素数平面
2024年以前は旧課程であるため数学の区分が新課程と異なります。
ですが、旧課程で数学Ⅲだった範囲(新課程の数学Ⅲ+数学Cの平面上の曲線と複素数平面)を課すものが数学ロ、課さないものが数学イと考えて大丈夫です。
2019~2024年度の出題範囲は以下のようになります。
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 【数学イ】 大問1:場合の数 大問2:対数 大問3:ベクトル 大問4:微分法 三角関数(数学Ⅱ) 大問5:数列 【数学ロ】 大問1:場合の数 大問2:対数 大問3:ベクトル 大問4:微分法 積分法(数学Ⅲ) 大問5:数列 複素数平面 |
2023年 | 【数学イ】 大問1:ベクトル 大問2:数列 大問3:場合の数 大問4:微分法 積分法(数学Ⅱ) 大問5:対数 【数学ロ】 大問1:ベクトル(イと同じ) 大問2:数列(イと同じ) 大問3:場合の数(イと同じ) 大問4:微分法(数学Ⅲ) 大問5:複素数平面 |
2022年 | 【数学イ】 大問1:ベクトル 大問2:確率 大問3:数列 大問4:微分法 積分法(数学Ⅱ) 大問5:三角関数 【数学ロ】 大問1:ベクトル 大問2:確率 大問3:数列 大問4:極限 積分法(数学Ⅲ) 大問5:微分法(数学Ⅲ) |
2021年 | 【数学イ】 大問1:ベクトル 大問2:場合の数 大問3:数列 大問4:指数関数 大問5:微分法 積分法 図形と方程式(数学Ⅱ) 【数学ロ】 大問1:ベクトル(イと同じ) 大問2:場合の数(イと同じ) 大問3:数列(イと同じ) 大問4:積分法(数学Ⅲ) 大問5:微分法 積分法(数学Ⅲ) |
2020年 | 【数学イ】 大問1:場合の数 大問2:ベクトル 大問3:三角関数 大問4:図形と計量 大問5:微分法(数学Ⅱ) 【数学ロ】 大問1:場合の数(イと共通) 大問2:ベクトル(イと共通) 大問3:三角関数(イと共通) 大問4:微分法 積分法(数学Ⅲ) 大問5:微分法(数学Ⅲ) |
大問1から3までは数学イ数学ロともに共通です。毎年場合の数、ベクトル、数列、三角関数のどれかが出題されていて傾向化していると言ってよいでしょう。これらの単元を固めることで得点を確実なものにできますね。
試験時間はどちらも120分です。試験時間は少なすぎるわけではありませんが、微分法や積分法は計算力を問われる問題が毎年出題されており時間配分には十分注意しましょう。
しかし時間が足りないからと言って解答作成をおろそかにしてはいけません。岐阜大学の数学は全問記述形式であるため普段から途中式や証明をしっかりと書く習慣をつけましょう。
問題の難易度は標準レベルですが、先述した通り計算力を問う問題やもれなく数え上げなければいけない問題など正確な処理が求められます。傍用問題集を何度も繰り返し解き、基礎的な解法プロセスを身に着けたら入試用問題集の国立標準レベルを沢山こなし入試問題で問われるパターンや教科書には載っていないが何度も出てくる解法をマスターしましょう。
共同獣医学科の場合数学Ⅲを使うか使わないか選べます。
数学Ⅲが得意で得点源にできる人は利用すればよいです(数学Ⅲは習得は大変と言われていますが問題になるとかなりパターン化されていることが多い印象です)。逆に、数学Ⅲを勉強する時間が取れない場合は利用しなくてよいので志望校を決定する際にどちらにするのか検討するとよいでしょう。
理科
化学
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:理論 無機 大問2:無機 大問3:有機 大問4:有機 大問5:理論 |
2023年 | 大問1:理論 大問2:無機 理論 大問3:有機 大問4:有機 大問5:理論 |
2022年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:有機 大問4:有機 理論 大問5:理論 無機 |
2021年 | 大問1:理論 無機 大問2:理論 大問3:有機 大問4:有機 理論 大問5:理論 無機 |
2020年 | 大問1:理論 大問2:理論 無機 大問3:理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
試験時間は120分で大問は5つです。試験時間は十分あると言ってよいでしょう。
例年理論化学と無機化学は融合問題として出題され、有機化学は2つの大問が充てられています。無機化学はただ化学反応式を暗記するのではなくどのような状況でその反応が起きるのか、なぜその反応が起きるのか理屈を考えることが重要です。
有機化学は炭化水素や芳香族化合物と高分子化合物で大問が分けられているのでどちらの範囲も完璧にする必要があります。高分子化合物はおろそかになったり、覚えていてもあまり演習量を積めていないことが多いので意識して勉強スケジュールを立てましょう。
問題の難易度は標準レベルで幅広く出題されます。対策として傍用問題集をしっかりとこなした上で入試問題集の標準レベルまで解けるようにしておくと安心でしょう。参考書を例に挙げると『重要問題集』の一部難しい問題を除いて大半が解けていればかなりの力がついているはずです。
物理
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:力学 大問2:電磁気 大問3:原子 大問4:波動 |
2023年 | 大問1:力学 大問2:電磁気 大問3:波動 大問4:熱力学 |
2022年 | 大問1:力学 大問2:電磁気 大問3:波動 大問4:熱力学 |
2021年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:電磁気 大問4:波動 |
2020年 | 大問1:力学 大問2:電磁気 大問3:熱力学 大問4:波動 |
試験時間は120分で大問は4つです。試験時間には比較的ゆとりがあると言ってよいでしょう。
毎年力学、電磁気、波動、熱力学(2024年度は原子も)と満遍なく出題されています。原子はどの大学でも出題されにくい傾向がありますが実際に出題されたことを受けても、ムラなく勉強することが重要でしょう。
設問に対して導出過程を問われる問題もあるため普段から手を動かして手際よく計算できるようにしておきましょう。法則を知っていても練習をしていなければなかなかスムーズに計算できないものです。
問題の難易度は標準的ですが論理的に考えさせる問題が多いので丸暗記ではなく公式の意味を理解することが重要です。まずは教科書の内容を完璧にして問題演習を沢山積みましょう。
生物
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:体内環境 大問2:細胞生理 大問3:生態 大問4:動物の反応 大問5:生殖 |
2023年 | 大問1:遺伝子 大問2:動物の反応 大問3:植物の反応 大問4:生態 大問5:核酸(ウィルス) |
2022年 | 大問1:体内環境 大問2:動物の反応 大問3:遺伝情報 大問4:生態 大問5:進化・系統 |
2021年 | 大問1:動物の反応 大問2:植物の反応 大問3:遺伝情報 生殖・発生 大問4:植物の反応 大問5:遺伝情報 生殖・発生 |
2020年 | 大問1:代謝 大問2:動物の反応 大問3:植物の反応 大問4:動物の反応 大問5:生態 |
試験時間は120分で大問は5つです。分量に対して試験時間は若干短めに設定されています。
満遍なく出題されてはいるものの、動物の反応、生態、遺伝はほぼ毎年のように出されています。
また記述問題や計算問題が出されるのでよく練習しておく必要があります。記述問題は30字から100時まで多岐に渡ります。現象や定義を用語を押さえつつ簡潔に論述する練習を心がけましょう。計算は典型的な問題が多いので教科書や参考にある計算問題をマスターすることで十分対応できるでしょう。
問題は標準的なものから思考力を問われるものまであると言ってよいでしょう。初見で見た時にどの知識を動員させるのか見抜けるかがカギとなります。先述した通り論述問題や計算問題も多いので処理能力が必要です。全体的な難易度はやや高めと言えるでしょう。
新課程による影響
数学の項目でも設問しましたが新課程の移行に伴い数学イ、数学ロの範囲は以下のようになりました。注意しましょう。
数学イ
- 数学ⅠⅡA:全範囲
- 数学B:数列 統計的な推測
- 数学C:ベクトル
数学ロ
- 数学ⅠⅡAⅢ:全範囲
- 数学B:数列 統計的な推測
- 数学C:ベクトル 平面上の曲線と複素数平面
まとめ
今回は岐阜大学の入試の特徴や対策についてご紹介しました。
岐阜大学は個別学力試験の科目が2科目と少なく、科目の勉強に専念できるのが特徴です。
このことはアドバンテージにもなりますが、それぞれの科目に相応の完成度が求められます。
高度なテクニックや思考力が出題されないからこそ、基礎を大切に着実に力をつけて試験に臨みましょう。