こんにちは!獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
この記事では2025年度、岩手大学共同獣医学科の一般選抜について(入試の傾向や対策・勉強法)、解説をしていきます。
2025年度 岩手大学共同獣医学科「一般選抜」の入試科目・必要科目おさらい
一般選抜前期
内容 | |
---|---|
募集人数 | 20名(令和5年度以降定員が22名から20名に) |
試験内容 | ・共通テスト:6教科8科目 ・個別学力試験:2教科(数学、理科から1科目)、ほか大学入学志望理由書 |
共通テストの科目 | (950点満点) 【社会】100点 【国語】200点 【外国語】200点 (英語を受験した場合リーディングを160点満点 リスニングを40点満点に換算した合計点) 【数学】200点 【理科】200点 ※物理、化学、生物から2科目 【情報】50点 |
個別学力検査の科目 | (420点満点) 【数学】200点 【理科】200点(物理、化学、生物から1科目) 【大学入学希望理由書】20点 |
共通テストが情報を除いて素点のまま反映されるため共通テストで得点を稼いでおくことが重要です。
また個別学力検査に英語がなく、理科も1科目なので各科目に集中して勉強することができるでしょう。共通テストと個別学力検査では勉強方法が違うので共通テストのみの科目と両方で使う科目のウェイトを考えるのも大切です。
また大学入学希望理由書が得点に含まれているのも特徴です。大学のHPなどを見て自分がなぜ獣医学部に入りたいのか改めて考えることはモチベーション維持にも役立つでしょう。
【分析】合格にはどれくらいの得点が必要?
岩手大学が発表している、2021~2024年の合格最低点・倍率は以下の通りです。
年度 | 合格最低点・合格倍率(受験者数/合格者数) |
---|---|
2024年 | 【一般前期】 合格者最低点:1018/1320 合格倍率:3.7倍 |
2023年 | 【一般前期】 合格者最低点:992/1320 合格倍率:3.5倍 |
2022年 | 【一般前期】 合格者最低点:984/1320 合格倍率:3.8倍 |
2021年 | 【一般前期】 合格者最低点:1021/1320 合格倍率:2.7倍 |
合格最低点について
各年度の合格最低点を見ると7割以上の得点が必要とされることが分かります。年によってやや変動はありますが最低1000点は必要です。
岩手大学の場合、他大学と異なり、共通テストの点数が情報を除いて圧縮されずほぼ素点がそのまま点数に換算されます。従って共通テストで点数を稼いでおくことが必須になります。例えば共通テストで8割稼いでおけば相当なアドバンテージとなるでしょう。
倍率について
倍率は高いものの4倍を超えることはなく、他の獣医系大学と比べると比較的競争率が低い部類に入るでしょう。出願する際は自分の順位がどのあたりなのか、自分が二次試験で具体的に何点取れば安全圏になるのか吟味しましょう。
年によって合格最低点と最高点の差は大きく異なり、100点以上開いている時もあれば僅か数十点差の年もあります。単純に倍率の問題ではなく、点数を加味する必要があります。
【教科別】合格点や過去問から入試の傾向と勉強法を解説
ここからは各教科の出題傾向とそれに合った対策・勉強法を解説していきます。
数学
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:小問集合 大問2:ベクトル 大問3:整数 大問4:積分 極限 大問5:図形と方程式 |
2023年 | 大問1:小問集合 大問2:確率 大問3:図形と方程式 ベクトル 大問4:微分・積分 大問5:指数対数 領域 |
2022年 | 大問1:小問集合 大問2:数列 大問3:場合の数 大問4:微分積分 大問5:三角関数 |
2021年 | 大問1:小問集合 大問2:ベクトル 大問3:整数 大問4:積分 大問5:確率 |
2020年 | 大問1:小問集合 大問2:確率 大問3:数列 大問4:微分積分 大問5:図形と計量 |
試験時間は120分で大問は5つあります。大問の中に小問があり、解答が記述形式です。
小問集合は例年不等式や積分、方程式が出題されていて素早く確実に得点したいところです。大問2以降の問題は年によって出題範囲が異なり、特定の単元を苦手とすると大きな失点になる恐れがあります。
問題は標準的な難易度のものが多いですが、計算が大変だったり証明をしないといけない問題もあり時間配分に注意する必要があります。
対策として計算力を身につけること、数学の基礎的な解法をマスターして使えるようにすること、答案を丁寧に書く練習をすることが重要です。参考書では難しい問題を沢山やるより国公立の標準レベルの問題をこなし、ある程度パターンを身につけると解法に悩まなくなるでしょう。
理科(1科目選択)
化学
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:無機 理論 大問2:理論 大問3:理論 大問4:有機 大問5:有機 |
2023年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 大問4:有機 大問5:有機 |
2022年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
2021年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
2020年 | 大問1:理論 大問2:理論 大問3:無機 理論 大問4:有機 理論 大問5:有機 理論 |
試験時間は120分で大問は5つあります。理論、無機、有機がどのくらいの割合で出題されるかは基本的に毎年同じで理論と有機化学が若干多くのウェイトを占めます。
範囲は幅広く出題され、理論では計算だけでなく知識も求められます。理論の勉強はどうしても知識に偏ってしまいがちなので、理論に付随する知識もしっかりと確認しましょう。
無機は有機よりは全体に占めるウェイトは低い傾向にありますが、理論や化学基礎の範囲との融合として知識を聞かれることもあり網羅的に勉強することが求められるでしょう。
有機化学は例年大問2つ分を占め、炭化水素や芳香族化合物と、高分子化合物の両範囲が出題されています。高級脂肪酸や糖、アミノ酸は最後の方に学習するのであまり勉強に時間をさけていない受験生も多いと思います。例えば物理選択に人は核酸の問題などになじみが薄いでしょう。得点できるようにしっかりと確認しておきましょう。
生物
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:腎臓 大問2:発生 大問3:進化 大問4:生態系 大問5:遺伝 形質置換 |
2023年 | 大問1:植物ホルモン 大問2:生態系 大問3:受容器 反射 大問4:進化 大問5:遺伝情報 |
2022年 | 大問1:代謝 大問2:生態 大問3:生殖・発生 大問4:遺伝情報 大問5:進化・系統 |
2021年 | 大問1:遺伝情報 大問2:動物の反応 大問3:植物の反応 大問4:生態 大問5:進化・系統 |
2020年 | 大問1:代謝 大問2:生殖・発生 大問3:動物の反応 大問4:生態 大問5:進化・系統 |
試験時間は120分で大問は5つあります。分量は年によってやや変動がありますが、例年論述問題やデータ読み取り問題が出題されます。短いので20字、長くて120字ほどの記述があるので添削してもらうなどして簡潔な説明ができるよう練習しましょう。
基本的に満遍なく出題されていますが、特に遺伝と進化・系統は頻出です。用語の穴埋めが多いので用語は正しい意味を覚えてすぐ思い浮かぶようにしましょう。
難易度は標準レベルです。しっかり勉強すれば高得点が取りやすいと考えられます。論理的思考も必要ですが、前提知識があればほぼ問題の趣旨を理解できるのでまずは教科書、資料集に載っている知識を定着させましょう。
対策としては先ほど説明した通り論述の練習を積むことに加え、事象を自分の言葉で説明できるようにしておくこと、単語だけでなく具体例と一緒に覚えておくことも重要です。
物理
年度 | 問題構成 |
---|---|
2024年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2023年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2022年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2021年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
2020年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:波動 大問4:電磁気 大問5:力学 |
試験時間は120分で大問は5つです。毎年、力学・熱力学・波動・電磁気が出題されそれに加えて力学がもう1問出されています。答えだけ聞かれる問題と途中式も含め書く問題の両方があります。
問題量も計算量も多いので要領よく処理することが求められるでしょう。難易度は基本的に標準レベルですが年によっては見慣れない問題が出題されることもあり、公式を暗記したり当てはめたりするだけでは厳しいです。法則や原則の意味を理解することが重要です。
対策としては傍用参考書等を繰り返し解き、基礎を固めたらどんどん公式をアウトプットする練習をすることが大切です。この状況ではどの式を使うか方針が立てられる方が重要なので(もちろん最終的には公式を覚えなければいけませんが)多くの問題に触れるように心がけましょう。模試の問題などは見慣れない装置で出題されていることが多いので復習することで力がつきます。
新課程による影響
数学の試験範囲について大学の募集要項では以下のように示されています。
- 数学Ⅰ:全範囲
- 数学Ⅱ:全範囲
- 数学A:図形の性質 場合の数と確率
- 数学B:数列
- 数学C:ベクトル
まとめ
今回は岩手大学共同獣医学科(2025年度から獣医学部)の一般選抜について(入試の傾向や対策・勉強法)ご紹介しました。
岩手大学は個別学力検査に英語が用いられず、かつ理科も1科目、数学も数学Ⅲは課されないため受験科目に集中できるかもしれませんが、その分各科目の完成度を高めることが求められます。
レベルも標準とはいえ定員が少ないため合格するには高得点が必要です。普段から基礎をしっかり固めてその後の演習を有意義に行うことで目標に届くでしょう。