ベレクトNEXT塾長の上井です。
今回は獣医師の私が、獣医師国家試験に落ちたあとついてお教えします。
これから受験を考えているかたは、もしくは再度挑戦する方がいらっしゃるかと思いますが、獣医国試はしっかりと対策させすれば合格できる試験です!
ぜひ、この記事を参考にしてください。
- 獣医国試に落ちたら、内定をもらっていた就職先によって対応が変わってくる
- 動物病院:内定先によって変わる
- 公務員:内定が取り消される可能性が高い
- 一般企業:会社による
- 浪人した場合の生活は人それぞれ
- 浪人の合格率はガクッと下がるのが現実
- ただし、社会人になると1年間の浪人などなにも影響はしない
獣医師国家試験に落ちたら内定していた就職はどうなる?
まず、一番気になるのは就職先ではないでしょうか?内定はどうなるのでしょうか?
動物病院の場合
アルバイトとして働きながら、次年度の獣医師国家試験に再挑戦し、合格後に正社員として勤務を開始するというケースが多く見られます。
特に、内定を出していた動物病院が国試不合格後も受け入れてくれる場合、バイト勤務中に現場経験を積むことができるため、再受験に向けたモチベーション維持にもつながるでしょう。
現在は慢性的な獣医師不足の状況にあるため、多くの動物病院では内定者が国家試験に不合格だったとしても、すぐに内定を取り消すということは少ないようです。
ただし、これはあくまで傾向であり、病院の経営状況や方針、院長の考え方によって異なるため、絶対に継続雇用されるとは限りません。
また、バイト勤務中は業務内容が限定されることもあり、獣医療の実務そのものには関わりにくい場面もありますが、動物看護や接客、入院動物の管理補助などを通じて、社会人としての経験値を積むことができる貴重な期間になることもあります。
獣医師の8割以上が、獣医療業界は人材不足だと感じている。その影響として1位は時間外労働が増えるという結果に。
※引用元:8割以上の獣医師が、獣医療業界は人材不足と回答。育休が取得しづらいと答えた獣医師は昨年比大幅減の15%!(FNNプライムオンライン)
公務員の場合
公務員として採用されている場合は、原則として獣医師免許の取得が前提条件となっているため、国家試験に不合格となると、採用自体が取り消しとなります。
これは都道府県や市区町村、あるいは厚労省・農水省といった省庁勤務の獣医師職に共通しています。
翌年以降、国家試験に合格してから改めて公務員試験に応募し直す必要があります。
自治体によっては年齢制限や応募条件があるため、継続的に公務員としてのキャリアを目指す場合には、計画的な対策が不可欠です。
また、国試不合格後の1年間については、臨時職員や非常勤職員として行政機関で勤務できる場合もありますが、これはごく限られた枠での雇用であり、自治体ごとの方針によるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
都道府県に勤務する公衆衛生獣医師の高齢化が進んでおり、平均年齢を平成24年と平成30年で比較しますと、45.8歳から46.7歳へ増加しています。当県においても、公衆衛生勤務獣医師の半分以上が50歳代であり、今後5年間で9名が定年退職を迎えるなど、慢性的な獣医師不足に陥っています。
茨城県におきましては、県内の獣医師が1,132名いるのですけれども、そのうち公務員の割合が16%となっております。民間とか個人診療などを含めますと、7割の方がそちらのほうに勤務している状況で、非常に少ない状況となっております。それと、公務員獣医師の人数が、高齢化も含めて減少傾向にあるという現状がございます。
一般企業に就職している場合
民間の一般企業に内定している場合、その業務内容が獣医師免許を必要としない職種であることが多いため、基本的には国試に落ちたとしても就職への影響はないでしょう。
たとえば、製薬企業やペットフード関連企業、医療機器メーカー、商社などの職種がこれに該当します。
この場合、会社側は「獣医師資格」を重視していない採用をしていることが多く、むしろ獣医学の専門知識を活かした商品企画やマーケティングの視点を評価している場合もあります。
ただし、勤務開始後に平日フルタイムで働きながら国家試験の勉強を継続するのは、現実的には非常に厳しいという声も多く聞かれます。
職場の理解や自分の時間の使い方をしっかりと考えないと、再挑戦が難しくなってしまう可能性もあります。
獣医師国家試験に落ちた場合の浪人時の生活について
やはり最初は落ち込むでしょう。
またあの生活が始まるのかと感じてしまい、かなり自暴自棄になってしまう方も多いようです。
そこからは情報収集をしながら、来年に向けて対策をしていく形になります。
場合によっては予備校に通われる方も多いようです。
下記に、実際に獣医師国家試験に不合格になった方の記事がございますが、社会人になると1年間の浪人などなにも影響はしないということです。
実際、私の周りのも国試浪人された経験がある獣医師先生がいますが、「あ、そうだったんですね〜」程度です。
浪人時の合格率
獣医師国家試験は、一度浪人された方は合格率が極端に下がります。
実際に、令和6年は40%と決して高いとはいえない合格率でした(新卒は83.3%)。
これは、情報不足や、モチベーションが保てない、そもそもあまり対策出来ていないなどの複数の要因があります。
浪人した際の費用
生活費+予備校の費用が基本的な支出です。
もちろん予備校に通わない場合は、ご自身の生活費だけがかかる形になります。
獣医師国家試験対策の予備校の費用は、おおよそ週一回2時間の受講で月8万円程度という認識かなと思います。
我々ベレクトNEXTでも、獣医師が講師として個別対策授業を週1回〜行っております。
まとめ
今回は、獣医師国家試験に落ちた場合にどうなるのかまとめました。
- 内定をもらっていた就職がどうなるのか
- 浪人する場合はどのような生活になるのか
あらかじめ知っておくことで、試験に向けての対策も変わってくるでしょう。
ただ、実際1年遅れたとしても、社会に出れば大した問題にはなりません。
安心して、一歩ずつ進んでいきましょう。