こんにちは、ベレクトNEXTです。
衛生学は、安全で質の高い畜産物の生産のために、動物の健康に影響を及ぼす要因を分析し、疾病予防や健康増進を目指す応用獣医学です。
ただ覚えるのではなく、実用的な側面を意識しながら学習することが重要です。
このページでは、獣医師国試「衛生学」の勉強方法と大事なことを解説しています!
ぜひ参考にしてみてください。
衛生学の勉強方法
衛生学は、薬理学、微生物、伝染病や大動物内科など様々な分野との関わりがあります。
分からないところがあれば、もとの分野を振り返りながら勉強していきましょう。
また、写真問題が多く出る分野でもあるので、有毒植物などは写真でも答えられるようにカラーアトラスなどで暗記しておきましょう。
衛生学の勉強で大事なこと
消毒薬
家畜衛生の管理のためには、消毒薬の知識が不可欠です。
薬理学でも登場しますが、衛生学では詳しい用途まで覚えましょう。
- 消毒薬の種類
- 消毒薬の名前
- 用途(皮膚、踏み込み槽、手術道具の滅菌など)
- 特徴や注意点(芽胞菌に有効か否か、有機物の存在下で効力↓など)
上記のポイントを抑えて、まとめ資料の表などを活用して覚えましょう。
家畜の管理衛生
- 乳牛の衛生管理
- 搾乳牛舎の種類(タイストール式、フリーストール式)
- フェーズフィーディング(分娩時期ごとのBCS、飼料)
- 伝染性乳房炎と環境性乳房炎(それぞれの細菌の名前、同定方法、症状なども含む)
- ミツバチの衛生管理
ミツバチに関しては、一年に一問程度出題されます。
獣医師、特に公務員獣医師の特徴的かた必要な知識だからこそ、把握する必要があります。
疾患と原因微生物、寄生虫と特徴的な見た目(写真)をまとめて覚えておきましょう。
牛の遺伝性疾患
遺伝性疾患は、疾患名、品種、原因遺伝子、症状、遺伝様式をしっかり覚えましょう。
覚えるべき遺伝性疾患は以下の通りです。
- 牛白血球粘着不全症
- クローディン16欠損症
- バンド3欠損(遺伝性球状赤血球症)
- チェディアック•東症候群
- モリブデン補酵素欠損症(キサンチン尿症)
有毒植物
家畜の放牧地の衛生管理のために必要な知識になっています。
- 植物名
- 有毒成分(作用機序)
- 中毒症状
- 写真
上記のポイントを抑えて覚えましょう。
フラッシュカードを自作して覚えるのがおすすめです。
第77回試験の衛生学について
今年の試験ではどうだったか(傾向や難易度など)
例年通りの難易度で、過去問を10年以上やっていて、正確に理解・暗記しておけば解ける難易度だと思います。
来年の予想、対策ポイントなど
近年、消毒薬に関する問題が出題されていますので抑えておきましょう。
消毒の対象の特徴なども正確に抑えておきましょう。
また、近年名前などのような固有名詞だけ覚えていても太刀打ちできない問題が増えています。
例えば有毒植物の写真やその成分、それによる症状なども出題される可能性が高いです。
実際に出た問題を一問解いてみよう!
第77回 A問題
1.CMT 変法
2.体細胞数
3.電気伝導度
4.NAGase 活性
5.アルコール試験
解答:5
解説:
各検査法の概要と乳房炎診断における役割は以下の通りです。
- 1.CMT 変法:適当
- 試薬中の界面活性剤(アルキル硫酸ナトリウム等)が乳中の体細胞(主に白血球)のDNAと反応してゲル化する性質を利用した、代表的な潜在性乳房炎の野外診断法です。
- 2.体細胞数:適当
- 乳房炎を発症すると乳腺内に白血球が集積するため、生乳中の体細胞数が著しく増加します。乳房炎の最も確実な診断指標の一つです。
- 3.電気伝導度:適当
- 乳房炎により乳腺組織の通透性が増すと、血液中からナトリウムイオンや塩素イオンが乳汁中に漏出し、電気伝導度が上昇します。
- 4.NAGase 活性(N-アセチル-beta-D-グルコサミニダーゼ活性):適当
- 乳腺上皮細胞の損傷や白血球に由来する酵素であり、乳房炎による乳腺組織の傷害度(炎症)を反映するマーカーとして用いられます。
- 5.アルコール試験:誤り(正解)
- 等容量の70%エタノールを乳汁に加えて凝固の有無を見る試験です。これは乳汁の熱安定性(酸度や塩類バランスの異常)を調べる受入検査(低酸度正乳や豆腐様乳の検出)であり、乳房炎の直接的な検査・診断法ではありません。
今年の国試対策で押さえておきたい「新出題基準」まとめ
追加
動物衛生と公衆衛生(疫学)
- 臨床疫学(大項目として新設): 「予後の評価」「診断」「根拠」を追加
- 因果関係(中項目として新設): 「発生要因とリスク因子」「因果関係の判定」を明記
- リスクアナリシス: ステップに「ハザード特定」を追加
- 経済的評価: 疾病及び対策の手法に「粗利益分析」を追加
- 人と動物の共生: 取り組みとして「適正飼養」「普及啓発」「動物福祉」を明記
動物の飼育・衛生管理
- 生産管理: 家畜の衛生的生産管理手法に「GAP」を追加(HACCPと併記)
- 栄養管理: 生産獣医療システムの指標に「ボディコンディションスコア〈BCS〉」を追加
環境衛生
- 気象・指標: 「WBGT指数」を追加
- 浄水処理: 手法に「膜ろ過」を追加
- 室内環境: 問題事例として「シックハウス症候群」「ハウスダストによる呼吸器疾患及びアレルギー」を追加
- 地球環境・国際条約: 以下の8項目が新たに追加
- 水俣条約 / パリ協定 / 名古屋議定書
- カーボンニュートラル / マイクロプラスチック
- 地球温暖化対策の推進に関する法律
- 生物多様性基本法
- 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
変更・修正
疫学指標および国際機関の変更
疫学指標の名称が見直され、「罹患率」は「発生率〈罹患率〉」へ、「発生率及び感染率」は「発病率」へと、より正確な表現へ変更されました。
また、国際機関の名称が「OIE」から「WOAH」へアップデートされています。
感染症名称の変更 動物の飼育・衛生管理の区分において、「サル痘〈モンキーポックス〉」の名称が「エムポックス」へと変更されました。
行政機関名称の修正
家畜衛生組織では「動物衛生研究所」が「農研機構動物衛生研究部門」へ変更されました。
公衆衛生組織においても、厚生労働省の管轄内表記が「国立研究所」から「国立医薬品食品衛生研究所」へと修正されています。
まとめ
各分野とのつながりを意識して要点を抑えて暗記をしましょう。
有毒植物は当然ですが、乳房炎の外見の所見などのような写真での出題も想定して、学習理解をしておきましょう
この記事は、獣医師のとね先生が執筆しました。


