こんにちは、ベレクトNEXTです。
病理学は動物における病気の原因(病因)や発症の仕組み(病態)、組織・細胞レベルでの変化を解明する学問です。
病理学の理解は感染症学や寄生虫学等の理解にも繋がるので、しっかりと押さえておきましょう!
このページでは、獣医師国試「病理学」の勉強方法と大事なことを解説しています!
ぜひ参考にしてみてください。
病理学の勉強方法
- 写真や図を見ながら勉強する!
- 似た名前や病態が多いので、しっかりと分けて覚える!
- 各論はまずは別名や原因微生物等を覚える!
病理学を文章だけで覚えるのはとても難しいです。必ず写真や図を見ながら学びましょう。
また、似た名前や病態が、同じ組織や臓器で多く、ややこしくなりがちなので、しっかりと分けて覚えましょう。
病理学の勉強で大事なこと
病理学総論を重点的にしっかりと覚える
- 勉強の流れとしては病理学総論→病理学各論となります。
各論を学ぶ際に必要になる知識であることはもちろん、国家試験では、総論の部分を細かく聞かれることが多いです。 - 各論に入った後も、忘れている部分があったら、総論に立ち戻って、しっかりと理解してから各論を学んでいきましょう。
写真や図を活用する
総論でも各論でも、視覚的な記憶が有効です。
また、覚えるのに役立つだけでなく、写真や図が実地問題で問われる場合もあるので、必ず確認しておきましょう。
名前と病態をしっかりとリンクさせる
病理学は複雑なので、名前だけ覚えて内容を忘れがちかと思います。
しっかりとセットで、どんな病態かを説明できるようにしておきましょう。
他の科目との繋がりを意識する
感染症学や寄生虫学、内科学等との関連が深いため、それぞれの病気や症状について、分けて科目毎に覚えるのではなく、まとめて覚えると良いでしょう。
例えば、この病気の原因菌はこれ(感染症学)で、こんな症状(内科学)が発現して、病理組織はこう(病理学)といった感じです。
第76回試験の病理学について
今年の試験ではどうだったか(傾向や難易度など)
難易度に関しては、典型的な問題で、例年通りの難易度と思われます。
必須問題からD問題までバランスよく問われ、必須問題から3問、A問題から3問、B問題から3問、C問題から7問、D問題から5問出題されました。
実地の方が多めな傾向も例年通りです。
来年の予想、対策ポイントなど
出題率の高い典型的な問題が多かったです。
獣医師国家試験は絶対評価の試験なので、正答率の高い頻出テーマに関する問題では落とさないよう、基本を大事に勉強しましょう。
実際に出た問題を一問解いてみよう!
第76回A問題
2.慢性肝不全
3.急性糸球体腎炎
4.甲状腺機能低下症
5.長期の低栄養
1.a, b 2.a, e 3.b, c 4.c, d 5.d, e
解答:4
解説:
1. うっ血性の浮腫や胸水、腹水などが生じる。
2. 肝機能の低下によって、アルブミン産生の減少が起こり、血漿膠質浸透圧が低下し、浮腫や胸水、腹水などが生じることがある。
3. 蛋白尿を呈して低アルブミン血症になり、浮腫などが生じることがある。
4. 甲状腺ホルモンの分泌低下によって、基礎代謝が低下し、皮膚などにムコ多糖類が蓄積する。これによって皮膚が分厚く、乾燥し、膨張する「粘液水腫」が生じる。
5. タンパク質不足によって低アルブミン血症となり、浮腫などが生じることがある。
まとめ
病理学は、一見すると情報量が膨大で「難しそう…」と感じやすいですが、実は国家試験では頻出問題が多く出題されます。
- 奇問、難問は少なく、王道パターンの出題が中心
- 「この変化はなぜ起こるのか?」という因果関係が問われる
- 「見たことがある病変・機序」が問われやすく、繰り返しで定着しやすい
丸暗記では対応が難しいが、理解すればスルスル解けるようになるという性質を持っています。