こんにちは、ベレクトNEXTです。
寄生虫学は受験生の中でも苦手とする人が多い科目です。
しかしながら、小動物臨床分野、産業動物臨床分野、公衆衛生分野、さらには魚病学などにおいても頻出であり、避けては通れない科目でもあります。
微生物学にも通じることではありますが、寄生虫学など病原体について学ぶ科目の基本は「分類」です。
疾患ごとにその病原体を覚えることも必要ではありますが、まずは分類から始めましょう。
このページでは、獣医師国試「寄生虫学」の勉強方法と大事なことを解説しています!
ぜひ参考にしてみてください。
寄生虫学の勉強方法
- 寄生虫の分類
- 生活環を正確に覚える
- その寄生虫が引き起こす疾患の理解
学ぶ順番としては、分類→生活環→疾患です。
どれか一つでも知識が欠けていると、解けない問題がでてきますし、安定して正解することが難しくなります。
過去問を解くときにも、この視点を意識するようにしましょう。
寄生虫学の勉強で大事なこと
分類を覚えよう!
大まかに分類できるようにする
試験勉強を始めたばかりの頃は、原虫や蠕虫(線虫・条虫・吸虫)の区別もできていない人もしばしば見受けられます。
分類表を何度も確認しながら少しずつ身につけていきましょう。
慣れてきたら細かい分類も覚えて
例えば条虫は裂頭目と円葉目に分けられ、それぞれに特徴があります。
分類をしっかりすることで、暗記もしやすくなります。
生活環を覚えよう
宿主は?
中間宿主が1つなのか2つなのか、もしくはとらないのか。
終宿主はどんな動物種なのか、人獣共通感染症なのか、ひとつずつ整理して覚えていきましょう。
宿主への感染経路や寄生部位は?
特定の症状が出現する原因を、解剖学的な構造と関連付けて考えることができます。
ステージごとの名称の違い、雌雄の有無など
種に特徴的なステージの名前は頻出なのでしっかり押さえましょう。
写真から特徴を理解しよう!
寄生虫に関する問題は、大きく分けると寄生虫学の問題として出題される場合と、臨床科目や公衆衛生科目として写真とともに出題されるパターンも多数見受けられます。
問題中に写真が出てきた時には以下の点に注目しましょう。
寄生虫の形態的特徴
寄生虫は見た目から写真のみで判断できることが多いです。
写真を見て学ぶ際には、形態学的な観点からその構造を理解することも重要です。
寄生虫疾患による病変の特徴
寄生虫疾患は特徴的な病変を形成することがあります。
例えば、豚回虫の寄生によって豚の肝臓に認められることのある寄生虫性肝炎は、その見た目から”ミルクスポット”とも呼ばれます。
臨床科目とのつながりを意識しよう!
寄生虫学は、基礎系科目として重要であるだけではなく、臨床分野や公衆衛生分野など様々な場面で問われることの多い科目です。
分類や生活環、構造など寄生虫そのものに対する理解だけではなく、その寄生虫が引き起こす症状や公衆衛生学的な意義など多様な視点をもてるように知識を整理しましょう。
第76回試験の寄生虫学について
今年の試験ではどうだったか(傾向や難易度など)
難易度に関しては、例年通りの難易度と思われます。
必須問題からD問題までバランスよく問われ、必須問題から2問、A問題から7問、B問題から42問、C問題から13問、D問題から24問出題されました。
そのうち、原虫に関する問題が7問出題されていました。
原虫が絡む重要な感染症が多いため、他科目と絡めて出題された印象です。
来年の予想、対策ポイントなど
出題率の高い典型的な問題も多くありましたが、一部では細かい知識も問われていたので満点にすることは難しかったかもしれません。
獣医師国家試験は絶対評価の試験なので、他の受験生が得点できるような頻出テーマに関する問題では落とさないよう基本を大事に勉強しましょう。
実際に出た問題を一問解いてみよう!
第77回A問題
1. シスト(嚢子)
2. メロント(シゾント)
3. タキゾイト
4. オーキネート
5. スポロシスト
1.a, b 2.a, e 3.b, c 4.c, d 5.d, e
解答:2.メロント(シゾント)
解説:
クリプトスポリジウムはコクシジウム類に近い原虫で、腸管上皮細胞の微絨毛部に寄生し、体内で無性生殖と有性生殖を行う。
生活環では、感染型のオーシストが口から入り、腸管内でスポロゾイトが出て上皮細胞に侵入する。
その後、無性生殖期としてメロント(シゾント)が形成され、ここからメロゾイトが出て再び細胞へ感染する。
一方、シストはジアルジアなど、タキゾイトはトキソプラズマ、オーキネートはマラリア原虫などでみられる形態で、クリプトスポリジウムではない。
またクリプトスポリジウムのオーシスト内にはスポロゾイトはあるが、典型的なスポロシストは形成しない。
したがって、生活環で観察されるものとして最も適切なのは メロント(シゾント)。
今年の国試対策で押さえておきたい「新出題基準」まとめ
追加
- 鶏盲腸虫症
鶏盲腸虫症は、鶏盲腸虫 Heterakis gallinarum による線虫症です。
名前の通り、鶏や七面鳥などの盲腸に寄生します。
感染は、環境中に排出された虫卵を経口摂取することで起こります。
症状は軽い盲腸炎や下痢程度で、無症状のことも多いです。
ただし、国試的に一番大事なのは、鶏盲腸虫そのものの症状よりも、黒頭病の原因である Histomonas meleagridis を媒介することです。
特に七面鳥では黒頭病が重症化しやすいので、セットで覚えます。
- 鉤頭虫症
鉤頭虫類による寄生虫症です。
鉤頭虫は、吸虫・条虫・線虫とは別グループで、名前の通り頭の部分に鉤のある吻を持ち、それを腸壁に刺すようにして寄生します。
代表的なものに、豚やイノシシに寄生する大鉤頭虫 Macracanthorhynchus hirudinaceus などがあります。
中間宿主は主に甲虫類で、豚などが感染した甲虫を食べることで感染します。
寄生部位は主に小腸で、腸炎、腹痛、下痢などを起こします。
重症例では腸壁を傷つけて、穿孔の原因になることもあります。
- アジア条虫症
アジア条虫 Taenia asiatica による条虫症。
ヒトの小腸に成虫が寄生するので、終宿主はヒト。
中間宿主は主に豚やイノシシで、幼虫である嚢虫は、豚の筋肉よりも肝臓や内臓にできやすいのが特徴。
症状は、軽い腹痛、下痢、食欲不振など。
国試的には、無鉤条虫・有鉤条虫との比較で出やすいです。
無鉤条虫は牛肉、有鉤条虫は豚肉、アジア条虫は豚の肝臓・内臓で覚えるといいです。
まとめ
寄生虫学は様々な分野で出題されており、配点も大きいことからしっかり勉強すれば得点源にもすることのできる科目です。
苦手意識がある人は早めに克服して、臨床科目など別の科目にも活かせるようにしましょう!




