こんにちは、ベレクトNEXTです。
毒性学は、物質の有害作用に関する学問で、医薬品、生活用品、環境物質など様々なものが対象となっています。
毒性学はこれらの健康に悪影響を及ぼす要因を分析し、未然に防ぐことを目的としている。
このページでは、獣医師国試「毒性学」の勉強方法と大事なことを解説しています!
ぜひ参考にしてみてください。
毒性学の勉強方法
毒性学は範囲がきわめて広いため、各論まで細かく覚えようとすると、量の割に問題数があまりでないコスパの悪い分野になっています。
総論や有名な薬害事件、頻出の毒性物質に絞って効率よく暗記しましょう。
また、薬理学と密接な関わりがあるため不明な点があれば薬理学の復習もしましょう。
毒性学の勉強で大事なこと
毒性学の頻出用語
薬物の信頼性の評価や危険性の評価のためにさまざまな用語があります。
定義を問われることが多いので抑えておきましょう。
特に英語の略称は、元の英単語の意味から覚えると頭に残りやすいです。
ex)
- No(無い) Observed Effect(効果) Level = 無作用量(作用がみられない最大の用量)
- Lowest(最小の)Observed Adverse(不利な) Effect Level = 最小毒性量
毒性試験
毒性試験は、一般毒性試験と特殊毒性試験に大別されます。
国試では特殊毒性試験の中でも遺伝毒性試験が頻出のため、こちらを覚えておきましょう。
- 突然変異試験
- Ames試験(ネズミチフス菌)、マウスリンフォーマTK試験
- DNA損傷・修復検出試験
- コメットアッセイ、umu試験
- 染色体異常の検出
- 小核試験
上記の試験の概要を押さえておきましょう。
害事件や公害事件
有名な薬害事件は薬の名前と毒性作用をしっかり覚えておきましょう。
- サリドマイド事件…妊婦が服用すると胎児に奇形が生じる。
- クロロキン事件…視野狭窄を主徴とする網膜症
- スモン事件…キノホルム(整腸剤)による亜急性脊髄視神経症(スモン)
公害事件も化学物質と公害事件の名前をしっかり覚えておきましょう。
各臓器別の毒性
毒性学の各論は覚える範囲が膨大です。
余裕があれば、各臓器に対する毒性物質を覚えておきたいですが、なかなか厳しいので腎毒性や呼吸器毒性など頻出の分野に絞って覚えていきましょう。
第76回試験の毒性学について
今年の試験ではどうだったか(傾向や難易度など)
毒性学の問題は全体を通して、5題出題されました。
難易度としてはかなり難化していました。
来年の予想、対策ポイントなど
毒性学は範囲の広さの割に出題数がすくないため、ピンポイントでの予想が困難です。
【毒性の勉強で大事なこと】で記述した3つに関して100%答えられるようにしておきましょう。
実際に出た問題を一問解いてみよう!
第76回必須問題
1.ストレプトマイシン
2.サリドマイド
3.キノホルム
4.ペニシリン
5.クロロキン
解答:3
解説:
1.ストレプトマイシン…聴覚障害(第Ⅷ脳神経障害)
2.サリドマイド…催奇形性
3.キノホルム…スモン(亜急性脊髄視神経症)
4.ペニシリン…アナフィラキシーショック
5.クロロキン…視野狭窄など網膜症
まとめ
毒性学は詳しく勉強しようとするとかなりコスパが悪くなる分野です。
よくでるポイントを押さえて、余裕があれば他の分野(薬理学、微生物学)の暗記に時間を割く方が効率的だと思います。