- 東京農工大学獣医学科の入試について
- 2023-2021年の最新版!東京農工大学獣医学科の過去問分析結果について
- 科目別勉強法と合格者の勉強方法
皆さんこんにちは!
獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
ベレクトでは東京農工大学の入試問題を徹底的に分析しています。
今回の記事では東京農工大学の前期一般入試の過去問を徹底的に分析した内容を基に、入試の傾向や具体的な対策方法について解説をしていきます。
東京農工大学の共同獣医学科は難関である獣医学部全体の中でも2番目に難しい獣医学部になります。
※東京大学の獣医学部を除く
本記事を最後まで読んで、合格を近づけてくださいね。
東京農工大学一般入試についてのまとめ
東京農工大学共同獣医学科の一般入試を前期試験・後期試験に分けて以下にまとめます。
前期入試
前期試験はこちらになります。
内容 | |
---|---|
募集人数 | 25名 |
共通テスト | 5教科7科目 (900点満点) 【国語】国語 (200) 【数学】数IA必須、数IIB・簿記・情報から1科目選択、計2科目 (200) 【理科】物・化・生から2科目選択 (200) ※理科は、基礎科目の選択不可 【外国語】英・独・仏・中・韓から1科目選択[英語はリスニングを課す](200[70]) 【社会】世界史AまたはB・日本史AまたはB・地理AまたはB・現社・倫理・政経・倫政 (100) |
個別学力 試験 | 4教科 (700点満点) 【必】数学ⅠAⅡBⅢ (200) 【必】英語 (200) 【選】理 科 「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「物理基礎・物理」から2科目選択 (300) |
いかがでしょうか。
やはり獣医学部の中でも難関な東京農工大学では2次試験に4科目を要しますし、後半で解説しますが問題難易度も獣医全体でみても高くなっています。
これだけの対策は高校3年生の夏休み以降だけで間に合わせることはかなり難しくなります。
計画的に高校1・2年生から勉強を始めてください。
新課程移行後(令和7年度入試)
新課程移行後の2025年入試では以下の変更点があります。
主な変更点は
- 共通テストに「情報Ⅰ」の追加
- 共通テストが900点から950点満点に
以上の2点です。
テスト | 内容 |
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共通テスト | 6教科8科目 (950点満点) 【国語】国語 (200) 【数学】数IA、数IIBC 計2科目 (200) 【理科】物・化・生から2科目選択 (200) ※理科は、基礎科目の選択不可 【外国語】英・独・仏・中・韓から1科目選択[英語はリスニングを課す](200[70]) 【地歴・公民】「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史総合」 「地理総合、歴史総合、公共」「公共、倫理」「公共、政治・経済」 の6科目から1科目選択(100) 【情報】情報Ⅰ(50) |
個別学力試験 | 4教科 (700点満点) 【必】数学ⅠAⅡBⅢC(200) 【必】英語 (200) 【選】理 科 「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「物理基礎・物理」から2科目選択 (300) |
後期入試
ここからは後期試験についてまとめていきます。
テスト | 内容 |
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募集人数 | 6名 |
共通テスト | 5教科7科目(900点満点) 【国語】国語(200) 【数学】数IA必須、数IIB・簿記・情報から1科目選択、計2科目(200) 【理科】物・化・生から2科目選択(200) ※理科は、基礎科目の選択不可 【外国語】英・独・仏・中・韓から1科目選択[英語はリスニングを課す](200[70]) 《地歴》世界史AまたはB・日本史AまたはB・地理AまたはBから選択(100) 《公民》「現社」、「倫理」、「政経」、「倫理・政経」(100) ●選択→地歴・公民から1科目選択 |
個別学力 試験 | 1教科(400点満点) 【必】英 語 「コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」「英語表現Ⅰ、Ⅱ」「英語会話」(400) |
倍率 | 14.5倍(2023) |
合格最低点 | 1,037.1/1300 (79%) |
後期入試は東京大学や北海道大学獣医学部志望の受験生など東京農工大学以上の難関大学の受験生が受験するため、合格最低点は異常に高くなっています。
後期入試で東京農工大学の獣医学科の受験を検討している受験生は
- 2次試験の英語が得意であること
- 共通テストがボーダー得点以上とれている
のどちらか(理想はどちらも)は満たしておきたいところです。
新課程移行後(令和7年度入試)
新課程移行後の2025年入試では以下の変更点があります。
前期試験同様、情報の追加とそれに伴う共通テストの配点の変更ですね。
テスト | 内容 |
---|---|
共通テスト | 6教科8科目 (950点満点) 【国語】国語 (200) 【数学】数IAIIBC 計2科目 (200) 【理科】物・化・生から2科目選択 (200) ※理科は、基礎科目の選択不可 【外国語】英・独・仏・中・韓から1科目選択[英語はリスニングを課す](200[70]) 【地歴・公民】「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史総合」 「地理総合、歴史総合、公共」「公共、倫理」「公共、政治・経済」 の6科目から1科目選択(100) 【情報】情報Ⅰ(50) |
個別学力試験 | 1教科 (400点満点) 【必】英 語 「英語(英語コミュニケーションⅠ、Ⅱ、Ⅲ)(論理・表現Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)(400) |
学校推薦型選抜
私は学校推薦型選抜試験で合格したので、一応補足で解説します。
農工大の学校推薦型選抜はかなり共通テストの配点に比重がよっています。
一応自己推薦文や、評定の提出も求められますが、語弊を恐れずにいうとぶっちゃけ共通テストで決まります。
応募した現役生の中で、共通テストの上位4〜5名を取っています。
大体最低点が共通テスト得点率85%程度に落ち着いている印象です。
一般前期選抜合格に必須の得点
ここまでで東京農工大学の試験概要についての大枠は理解できたかと思います。
ここからは実際の入試の合格最低点と各科目の傾向や対策方法について解説していきます。
東京農工大学では共通テストと2次試験の結果について大学がとても詳細にまとめてくれています。
年度 | 合格平均(最低)点 |
---|---|
2023年 | 【合格者最低点】 1170.5/1600 【共通テスト平均点】 740.7/900 【2次試験科目別平均点と最低点】 数学:最低点88点 平均点136.4点(200点満点) 理科:最低点179点 平均点226.9点(300点満点) 英語:最低点84点 平均点117.7点(200点満点) |
2022年 | 【合格者最低点】 11323.6/1600 【共通テスト平均点】 687.9/900 【2次試験科目別平均点と最低点】 数学:最低点90点 平均点144点(200点満点) 理科:最低点163点 平均点205.4点(300点満点) 英語:最低点104点 平均点149.3点(200点満点) |
2021年 | 【合格者最低点】 1166.4/1600 【共通テスト平均点】 776.7/900 【2次試験科目別平均点と最低点】 数学:最低点55点 平均点99.1点(200点満点) 理科:最低点154点 平均点183.2点(300点満点) 英語:最低点130 平均点156.3(200点満点) |
2021年は共通テスト1年目で問題もかなり易しく平均点も高かったこともあり、2次試験の合格最低点こそ低いですが、総得点の合格最低点は高くなっています。
※2021年は共テ数学の合格者平均点は約9割もありました…
やはり、共通テストの比重が大きいので共通テストが上手くいけば逃げ切りやすいのは事実だと思います。
ただ、2次試験の合格者点数を見ても数学や理科は逆転の余地になります。
理科と数学は農工大対策でも重点的に行うべきです。
受験生は自身の得点具合と最低点とを比較して、勉強の優先順位をつけよう!
東京農工大学共同獣医学科の入試対策を教科別に解説
ここまでで東京農工大学の入試についてはかなり理解が深まったと思います。
ここからは2023-2021年の最新の東京農工大学共同獣医学科の入試について、教科ごとに傾向や対策を解説していきます。
数学
東京農工大学の数学の問題は大問4つで構成されています。
年度 | 問題構成 |
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2023年 | 大問1:複素数平面 大問2:数列 大問3:微積分(数Ⅲ) 大問4:微積分(数Ⅲ) |
2022年 | 大問1:複素数平面 大問2:数列と極限 大問3:微積分(数II) 大問4:微積分(数Ⅲ) |
2021年 | 大問1:空間ベクトル 大問2:数列と極限 大問3:微積分(数Ⅲ) 大問4:微積分(数Ⅲ) |
2020年 | 大問1:空間ベクトル 大問2:数列(数Bのみ) 大問3:微積分(数Ⅲ) 大問4:微積分(数Ⅲ) |
頻出分野は
- ベクトル
- 数列(極限含む)
- 複素数平面
- 微積分
になりますね。
むしろ、この分野に集中しているといっても過言ではありません。
数Ⅲの問題では煩雑な計算を要する問題が多く、かつヒントが少ないため、思考力や式作成能力が求められます。
東京農工大学合格に数学Ⅲ対策は避けては通れない道になります。
東京農工大の獣医学部を強く希望する高校生は先取りでどんどん学習していきましょう。
数学Ⅲの対策としておすすめの問題集としては、
- 一対一対応の演習(微積分編・数学B)
- 標準問題精講
- 理系数学の良問プラチカ数学Ⅲ
になります。
英語
東京農工大学の英語の問題は3つの大問で構成されており、以下のような形式で出題されます。
- 大問1 :長文を読み問いに答える
(一般的な形式) - 大問2:長文読解
(長文を読み、文章全体に対する理解を問う&文章を挿入する場所を選ぶ、時系列を整理する問題) - 大問3:会話文と自由英作文
このように、全ての問題が問題の毛色の異なる長文問題で構成されています。
全体的な文章のレベルはそこまで高くなく、単語への注釈も多いため、読解問題で苦労することはそこまでないと思います。
こういった理由で読解問題では比較的差がつきにくい傾向にあります。
ただ、大問3の最後に50-60単語ほどの自由英作文の出題があります。
試験時間60分で長文読解2題と会話文1題を読んだ後の自由英作文です。
時間制限はかなり厳しいかと思います。
- 最初に英作文のテーマを確認しておく
- 普段から長文の多読を行い、速読力を身に着ける
- 英作文で瞬時に使えるフレーズ・ボキャブラリーを蓄積する
これらは有効な対策になります。
ただ、農工大対策の優先順位は長文読解>>英作文です。
配点の大きいところから対策していきましょう!
理科
東京農工大学共同獣医学科の理科は「物理・物理基礎」、「生物・生物基礎」、「化学・化学基礎」の中から2科目を選んで受験します。
ここからは、理科科目それぞれの傾向と対策について解説していきます。
化学
東京農工大学の化学の問題は大問4つ構成で、理論化学・有機化学の問題が中心に無化学は複合的に出題されます。
年度 | 問題構成 |
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2023年 | 大問1:化学平衡(理論化学) 大問2:メタンに関する知識と考察問題(理論化学) 大問3:構造決定(有機化学) 大問4:酸化還元反応(理論化学) |
2022年 | 大問1:物質の状態と熱化学(理論化学) 大問2:錯イオンについて(無機化学) 大問3:高分子と理論化学の融合問題 大問4:高分子(有機化学) |
2021年 | 大問1:高分子と立体構造の融合問題 大問2:金属について(無機化学) 大問3:高分子と化学平衡 大問4:構造決定(有機化学) |
理論化学×有機化学、理論化学×無機化学のような融合問題が頻出されていますね。
また、2023年では熱化学方程式の導出問題、2021年の無機化学でワッカー法(※教科書に記載がない)について思考力を問う問題も出題されています。
そのため、各事象に対してきちんと体系的に理解していないと、正答するのははやや難しいのではないでしょうか。
また問題文が長かったり文章で説明する問題が多いことから、解答するのに時間がかかります。
短い時間でしっかりと答えを出す訓練もしておいてくださいね。
現役農工大獣医の講師である溝口先生は、
- 学校指定教材(セミナー)
- 重要問題集
が対策に良かったとお話しされています。
※溝口先生おすすめの参考書や受験期のスケジュールは記事後半で解説しています。
化学は結構難しいので、重要問題集レベルは確実に解ける状態にしておきましょう。
物理
東京農工大学の物理は、近年大問3つ構成で出題されています。
年度 | 問題構成 |
---|---|
2023年 | 大問1:力学 大問2:熱力学 大問3:電磁気 |
2022年 | 大問1:力学 大問2:電磁気 大問3:波動 |
2021年 | 大問1:力学 大問2:電磁気 大問3:熱力学 |
毎年幅広い分野から出題されていますが、力学が大問1に出題されている年が多いです。
各大問、前半が易しく後半が難しいという構成になっているため、時間配分を適切に行うことが重要です。
とにかく計算問題が多くなっています。
また、2020年以前は描図問題も頻出でした。
問題設定を正しく理解して、誘導に載っていくタイプの問題演習を重ねていくことが大切です。
また、過去問と同形式の問題が出題されることがあるので、少なくとも7〜8年分は触れるようにしましょう!
生物
東京農工大学の生物は、近年大問4つ構成で出題されています。
東京農工大学の生物は基礎〜標準レベルの知識で解ける問題が多いです。
知識問題も多く教科書や資料集の内容をしっかりとインプットできていれば知識問題・知識に基づく論述問題はそこそこは得点できます。
様々な分野から満遍なく出題されるため、問題集や過去問をやりこんで抜けのないように知識を蓄えておきましょう。
ただ問題の中には、標準レベルの知識をもとに実験の結果考察を行い、それについて論述を行う問題もあります。
2023年入試と2021年入試では受験生の中でも苦手な人が多い遺伝(電気泳動)に関する問題も出題されています。
これら分野はある程度レベルの高い参考書には多く出題がありますが、普段解かない受験生や避けてしまう受験生は本番差がついてしまいます。
まずは学校で配布されるセミナー生物やリードlightですべての範囲の知識を蓄えてください。
問題集は必ず何周もして基礎をおろそかにしないことが生物得点アップには必須です。
高得点狙いで、思考力を問う難しい問題演習を積んでおきたい人はこちらの参考書がおススメです。
東京農工大学獣医学部のベレクト講師にヒアリング
ベレクトでは現役獣医学生による個別指導を行っております。
講師全員が現役の獣医学生で構成されており、オンライン双方向型の指導を行っております。
今回はベレクトメンターで現役東京農工大学共同獣医学科生の溝口先生に農工大受験ノウハウについて質問してみました!
現役の東京農工大生の勉強法です。
是非参考にしてください。
東京農工大入試で最も力を入れた科目はなんでしょうか?
また、それはどの教材をどのように使って対策しましたか?
数学ですね!
農工大の二次試験には数Ⅲが必要で記事にも紹介されていたように大学への数学(一対一対応の数学)を用いて対策しました。
正直問題の難易度は高くないので、全部の問題を完答するつもりで勉強しました。大学への数学は頻出の問題は抑えられるものの、問題数が少ない分、全ての範囲をカバーできるわけではないので、プラチカ(理系)なども活用しました。とにかく網羅的に学習を進め、どんな範囲でも標準レベルの問題なら解くことができるようにしました。
なるほど!
農工大学の数学、充分難しいと思いますが(笑)
まとめると、「網羅的に、徹底的に」という感じですね。
青チャートやフォーカスゴールドのような網羅系参考書の演習は大変重要ですが、「量が多すぎてできないよ…」という受験生には一対一対応の演習は厳選された例題かつ難易度もかなり高いので、農工大対策には大変良いと私も思います。
勉強中に意識していたことはありますか?
オンとオフを切り替えることですね。
家では誘惑が多く勉強できない、ついついケータイを触ってしまうなどの悩みを抱えている方も多いと思います。
これを解消するべく、家では携帯の電源をオフ、外ではオンとし、朝早く家を出て、夜遅くまで家に帰らないようにしました。また、夏休み以降は携帯を解約して使わないようにしました。
加えて、勉強をしたくない日には一日勉強しないことに後悔しないと決心して、1日遊ぶようにしていました。
携帯を解約…(絶句)
ありがとうございます(笑)
いろんな先生を見ていても、溝口先生は特にストイックに勉強をされている印象がございます。
ちなみに、溝口先生は、合格年度は共通試験と二次試験、それぞれ何割ほどの得点でしたか?
当時は共通テストではなくセンター試験ですが、
センター試験は785/900(87%)
二次試験は530/700程度(75%)
でした。
立派な点数ですね。
最後に、東京農工大を目指す受験生に一言お願いします!
大学受験で本気で頑張れる人は一生本気で頑張れる人です!
逆に言えば、ここで逃げる人は一生逃げる人になると思います。
僕は大した人間ではありませんが、大学受験をきっかけに何かに全力で向き合うことが好きになりました。
大学受験の経験が皆さんの人生を豊かにすることを願っています!
農工大講師の溝口先生の受験期のスケジュール
ちなみに、溝口先生の現役時代のスケジュールはこちらです。
皆さんも参考にされてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、東京農工大学共同獣医学科の入試問題の傾向や対策法について説明をしました。
東京農工大学は獣医学部の中でも難関大学になります。
ですが、入学後は楽しく充実した大学生活を過ごせる大学です。
本記事を通して
- 東京農工大学共同獣医学科の入試について理解できた!
- 過去問の問題傾向が理解できた!
- これからどのように対策を進めていけば良いか分かった!
など新しい収穫がありましたら幸いです。
現役獣医学生に
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※塾の方針として、無理な勧誘は一切行いません。