獣医師先生に聞いた国試「生理学」の勉強方法と大事なこと4選

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こんにちは、ベレクトNEXTです。

獣医師になる上で、解剖学と並んで生理学は非常に重要な科目です。

解剖学が動物の体の「構造」を学ぶ学問であるのに対し、生理学は体の「機能」を学ぶ学問です。

生理学を深く理解することで、動物の健康を維持し、病気の診断や治療を行う上で、より的確な判断を下すことができます。

あらゆる分野での学習で意識して欲しいことは、ある分野だけ(縦のつながり)での学習に納めずに、他の分野とのつながり(横のつながり)を意識しましょう。

例えば、神経などの支配や分泌物、受容体なども重要です。

これら基本的なことを抑えることで、薬学や臨床などを学習する際に、細かい箇所を覚えずとも理解できるようになると思います。

他の分野で不明瞭なことがあればその都度他の分野の学習をしてみてください。特に、そういったことに直面しやすい分野は「生理学」だと思います。

このページでは、獣医師国試「生理学」の勉強方法と大事なことを解説しています。

ぜひ参考にしてみてください。

本記事を監修する専門家

塾長/獣医師 上井 獣医師。東京農工大学農学部獣医学科卒。獣医師国家試験対策に特化したオンライン予備校「ベレクトNEXT」代表。国試対策に精通した講師陣とともに、既卒生・再受験生を中心に多数の合格者を輩出している。

生理学の勉強方法

生理はまとめ資料を使いました

私の通っていた大学の生理の授業はかなりひどく、まとめ資料に頼っていました。

生理も解剖と同様範囲が膨大で奥が深いので、国試で出やすいところを中心に勉強していきましょう!

生理学の勉強で大事なこと

生理が分かって、初めて病気が分かる

病態を知る近道

生理学的な知識があれば、ある症状が出現する原因を、体の機能の異常と関連付けて考えることができます。

例えば、呼吸困難に関与していることとして、循環器に問題があることもあれば、肺自体に問題があること、さらには神経に問題があること等様々な原因が考えられます。

病態を理解する上で生理の理解は不可欠です!

内分泌を克服せよ!

内分泌は大事ですが、分かりにくい・覚えにくいからといって敬遠される傾向がございます。

克服しないと、病態生理も薬理も臨床も丸暗記になる悪循環が始まります。

いまこそ、内分泌を克服しましょう。

体の恒常性維持

血糖値のコントロールや胃の運動を制御するなど、多岐にわたって内分泌が関与しております。

手術の安全性

手術を行う際には、生理機能に与える影響を予測し、安全な手術計画を立てる必要があります。

心臓の仕組みは必須!

心臓の電気生理学

心臓は、電気的な刺激によって収縮を繰り返しています。

この電気的な活動の仕組みを理解することは、心臓の働きをより深く理解するために不可欠です。

心音の理解

心臓の運動に関わること

フランク-スターリングの法則心筋の収縮連関等はとても大事です!

酸塩基平衡を極めよ

大事なのに、わかりにくくてとっつきにくい生理学の単元は盛りだくさん…。

酸塩基平衡も少しわかりにくいですよね…。

そんな時には YouTube『ゴロー/イラストで学ぶ身体の仕組み』がおすすめです。

ご参考にしてみてください!

第77回試験の生理学について

今年の試験ではどうだったか(傾向や難易度など)

難易度に関しては、例年通りと考えます。

傾向はA問題に集中して出題されますが、生化学など他の分野と被っていることもあります。

来年の予想、対策ポイントなど

内分泌学(ホルモンなど)、神経学(特徴や種類)、感覚器学、生殖生理学、呼吸生理学、血液学あたりが例年出題されている印象を受けています。

この辺りは特に重点的に勉強しましょう。

実際に出た問題を一問解いてみよう!

第77回A問題

Q
問17 心収縮力を増強させる要因として誤っているのはどれか。

1.電位依存性Ca2+ チャネルの開口促進
2.筋小胞体ホスホランバンのリン酸化増加
3.細胞内cAMP 濃度の増加
4.細胞内ホスホジエステラーゼ活性の上昇
5.Na+,K+-ATPase 活性の抑制
A

解答:4

心収縮力(陽性変力作用)の基本(心筋収縮力は主に細胞内Ca²⁺濃度によって決まる)
交感神経刺激(β₁受容体刺激)では、

  • cAMP↑
  • PKA活性↑
  • Ca²⁺チャネル活性↑
  • 筋小胞体からのCa²⁺放出↑

となり、収縮力が増加します。

1.電位依存性Ca²⁺チャネルの開口促進 正しい

Ca²⁺チャネルからのCa²⁺流入が増加し、

  • Ca²⁺誘発性Ca²⁺放出(CICR)↑
  • 心筋収縮力↑

となります。

2.筋小胞体ホスホランバンのリン酸化増加 正しい

ホスホランバン(PLB)はSERCAを抑制しています。

リン酸化されると

  • PLBの抑制解除
  • SERCA活性↑
  • 筋小胞体へのCa²⁺再取り込み↑

結果として筋小胞体内Ca²⁺貯蔵量が増加し、収縮時のCa²⁺放出量が増えるため収縮力が増強します。

3.細胞内cAMP濃度の増加  正しい

cAMP↑  → PKA活性↑  → Ca²⁺チャネル活性↑  → Ca²⁺流入↑

結果として心収縮力が増加します。β₁受容体刺激の主要経路です。

4.細胞内ホスホジエステラーゼ活性の上昇  誤り(正解)

ホスホジエステラーゼ(PDE)活性↑

→ cAMP↓ → PKA活性↓ → Ca²⁺流入↓ → 心収縮力↓

5.Na⁺, K⁺-ATPase活性の抑制 正しい

Na⁺,K⁺-ATPaseを抑制すると

細胞内Na⁺↑ → Na⁺/Ca²⁺交換体(NCX)活性↓ → Ca²⁺排出↓ → 細胞内Ca²⁺↑

→心収縮力が増加します。

これはジゴキシンの作用機序です。

今年の国試対策で押さえておきたい「新出題基準」まとめ

追加

  • 構造と機能
    • 細胞膜を介する物質輸送に、「トランスポーター」
    • 細胞間情報伝達に、「オータコイド」が追加
  • 発症機序と病理・病態
    • 腫瘍免疫に、「抗腫瘍免疫からの回避機序」が追加
  • 主要症候
    • 行動症候に、「認知機能低下」が追加
    • 全身症候のチアノーゼの項目に、「充血」が追加

削除

  • 発症機序と病理・病態
    • 血液の循環障害から、「血行静止」「副行循環〈側副循環〉」が削除
  • 主要症候
    • 行動症候の過剰発声から、「咆哮」の文字が削除

まとめ

生理学は、動物の体の機能を理解するための基礎となる学問です。

生理学を学ぶことで、獣医師は、病気の診断、治療、予防、そして動物の健康管理においてより専門的な知識と技術を身につけることができます。

相談者の状況に合わせて、獣医師資格を持つ講師がアドバイスします(30分)。
顔出しなしでも面談を受けることができます。

この記事を書いた人

ベレクト運営事務局

獣医専門オンライン予備校のベレクトです。
本記事が受験生の参考になれば幸いです。