獣医師国試「外科学」の勉強方法と大事なこと4選

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こんにちは、ベレクトNEXTです。

獣医師国家試験において外科学内科小動物学と並んで出題数がかなり多い分野であり、必ず押さえておきたい科目の1つとなります。

さらに国家試験に合格した後、小動物医療を志す人にとっては特に外科学で勉強した内容は実際の臨床現場にて役に立つこともあるでしょう。

このページでは、獣医師国試「外科学」の勉強方法と大事なことを解説しています!

ぜひ参考にしてみてください。

本記事を監修する専門家

塾長/獣医師 上井 獣医師。東京農工大学農学部獣医学科卒。獣医師国家試験対策に特化したオンライン予備校「ベレクトNEXT」代表。国試対策に精通した講師陣とともに、既卒生・再受験生を中心に多数の合格者を輩出している。

外科学の勉強方法

  1. 基礎系科目をしっかり理解する
  2. 解剖学と共に正常な状態の画像をセットで暗記する
  3. 画像から病変を読み取る力を身につける

外科学は解剖学や生理学などといった基礎系の分野を理解できていないと、ただ疾患名を丸暗記するだけとなってしまいます。

よって基礎系科目の理解と暗記ができていない場合は、まずはそちらから学習するようにしましょう。

また、実際の国家試験では症状と共にX線検査やMRIなどの画像所見が記載され、最も疑われる疾患・病態並びに治療法などを選択する問題が非常に多く出題される傾向にあります。

これらのことから外科系疾患として頻出の筋骨格系においては特に解剖学と共に正常な状態の画像をセットで頭の中に入れておき、どこが病変となるかを読み取る力を身につけることも重要となります。

外科学の勉強で大事なこと

まずは基礎系科目(解剖学、生理学、薬理学)を確実に!

外科学をただ丸暗記するだけではなく応用力も身につけて理解するためには、これらの基礎系科目は必ず必要な分野となります。

出題数がかなり多いことから、つい外科学からとりかかってしまう気持ちは理解できますが、まずは土台となる基礎系科目の理解と暗記からとりかかるようにしましょう。

曖昧な点をそのままにしない

外科学で曖昧な点があれば、まずは基礎に戻りましょう。

外科学の勉強を行っていると、骨や筋肉、麻酔薬などについて自身の記憶が曖昧となっている部分が出てくることもあるでしょう。

この曖昧な部分をそのままにはせずに必ず基礎系科目に戻り、改めて理解と暗記を深めておくことが国家試験合格の道へと繋がることを忘れないようにしてください。

画像・問題文から解答につながる情報を入手する

画像には必要な情報が盛りだくさん

外科学のC,D問題においては細胞診画像、X線画像、超音波画像、MRI画像など症状に加えて様々な画像所見が記載されており、これらの所見から異常を読み取る力が必須となります。

そのためには、まず正常な画像とはどのようなものかを理解しておく必要があります。

授業で使用したスライドや教科書などに記載されている正常画像を先によく見ておくようにしましょう。

文章からキーポイントを読み取る

C,D問題においては、必ずといっていいほど症状に加えて問題文の中に種、性別、年齢などの情報が記載されています。

これらは疑われる疾患・病態を鑑別するための非常に重要なキーポイントとなることから、読み飛ばさないようにしてください。

早く問題を解こうとして文章をよく読まずに画像所見だけを確認してしまうと、誤った解答を選んでしまう危険性があります。

疾患名や治療法を丸暗記しない

疾患とその治療法を理論づけましょう。

D問題では第1問目が疑われる疾患・病態、続いて第2問目は、その治療法とがセットになって出題される傾向にあることからどちらも正解することが得点アップに繋がります。

ただ、外科学に含まれる疾患と治療法の数は膨大となるため、ただ丸暗記をすることはおすすめできません。

もちろん術式名や固定法名などは暗記する必要がありますが、それら以外は病態をよく理解してから治療法につなげる理論的思考にて学習を進めるようにしましょう。

第76回試験の外科学について

今年の試験ではどうだったか(傾向や難易度など)

筋骨格系疾患、生殖器や腫瘍性疾患、大動物固有の疾患など、一部難しい問題もありました。

ですが、全体としてマニアックな出題は多くなく、難易度に関しては例年通り~やや難と思われます。

必須問題からD問題まで全問題において出題されました。

来年の予想、対策ポイントなど

例年通り、幅広い分野からの出題があることが予想されます。

基礎系科目においてしっかり理解・暗記を行った上で、問題文から必要な情報を読み取ると共に画像所見からどこが異常かを判断する能力が問われることでしょう。

実際に出た問題を一問解いてみよう!

第76回D問題(※図18は省略)

課題18

課題18 犬、ラブラドール・レトリーバー、避妊雌、10歳齢。左の脇腹が腫れて痛がっているとの主訴で来院。〔図18〕は胸部単純X線像(A:側方像、B:腹背像)、〔図18-C〕は病変部の造影CT横断像、〔図18-D〕は病変の細針吸引細胞診像(ライトギムザ染色、×400)である。

Q
問35 最も疑われる疾患はどれか。

1.皮膚組織球症
2.腎細胞癌
3.筋間脂肪腫
4.骨肉腫
5.肺腺癌
A

解答:2

解説:この問題では①CT所見と②細胞診所見から適切なポイントを読み取ることがとても大切になります。

  1. CT所見:腹腔内に巨大な腫瘤があり、腎臓を圧排していると共に不均一な造影効果があり、腫瘍内に嚢胞状の構造が確認されます。また、周囲の臓器(腸管・腎臓・脾臓)を圧迫していることと腹水の存在が確認されることも読み取るようにしましょう。
  2. 細胞診所見:大型の異型細胞が密集して増殖しており、かつ核の大小不同が顕著で有糸分裂像が見られることから高い増殖能が示唆されます。また、腫瘍細胞同士が凝集しており、固形腫瘍の特徴を示すと共に背景に出血成分がある点から、血管新生や腫瘍の浸潤性の可能性が高いことを読み取る必要があります。

選択肢の解説

1. 皮膚組織球症⇒皮膚に発生する腫瘍であり、腹腔内巨大腫瘤とは一致しません。        

2. 腎細胞癌⇒腎臓に関連する腫瘤のため、CT所見である腹腔内巨大腫瘤と一致する可能性が高くなります。また、悪性腫瘍であることから大型の異型細胞、凝集性増殖、血管新生といった細胞診所見とも一致すると考えられます。

3. 筋間脂肪腫⇒脂肪腫は通常CTにおいて低吸収域を示し、造影効果は乏しいことからCT所見と一致しません。また、細胞診においても脂肪腫では細胞密度が低く、今回のような異型細胞は見られることはありません。

4. 骨肉腫⇒通常は骨組織に発生し、腹腔内に巨大腫瘤を形成することは稀となります。また、細胞診において骨組織を伴う腫瘍細胞が見られないため一致しません。

5. 肺腺癌⇒肺に原発するため、CTにおいて肺病変が確認されるはずですが今回の所見からは確認できません。また、細胞診においても管腔形成などの腺癌の特徴が見られません。

まとめ

外科学は単に疾患名とその治療法を丸暗記するのではなく、基礎系科目をしっかり理解した後の応用問題ということもできるでしょう。

問題として提示される症例についても、焦らずに一つ一つ理論づけて考える練習もしておきましょう。

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この記事を書いた人

ベレクト運営事務局

獣医国試専門オンライン予備校「ベレクトNEXT」のなかの人。講師全員が獣医師免許保有者。獣医師免許を持つ講師がコラムの執筆にも関わっており、獣医国試合格者の実体験をもとにした情報発信を行なっております。